米上場のジーニアス・グループが12億ドルの永久優先証券発行を計画。2031年度までに総資産20億ドルを目指す方針

米上場でAIを活用した起業家教育を手がけるジーニアス・グループは、永久優先証券を通じて最大12億ドル規模の資金調達を行う計画を発表しました。同社は調達資金を活用し、8億ドルのAI準備金と8億2,700万ドルのビットコイン準備金を柱として、2031年度までに総資産を20億ドルへ積み上げる5年計画を掲げています。既存株主の持ち分を希薄化させない資金調達手法を用いながら、ビットコインの購入再開とAI関連資産の拡充を図る方針です。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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永久優先証券を活用した資金調達と財務再編

ジーニアス・グループが採用する永久優先証券(PPS)は、償還期限や返済義務がなく普通株式への転換もない金融商品です。投資家に配当利回りを提供する一方で、既存株式の希薄化を伴わずに資本を調達できる特徴を持っています。この手法は、2025年1月にビットコイン保有大手のストラテジーが採用して以降、企業のトレジャリー(財務資産管理)における主要な非希薄化調達手段として定着しています。

同社は2025年7月18日に米証券取引委員会(SEC)により発効された12億ドル規模のシェルフ登録を活用し、初回として1,250万ドル相当の発行を計画しています。発行される証券は転換不可・変動利率で毎月配当が支払われる設計となっており、調達した資金はAI準備金とビットコイン準備金への投資、および優先配当の約18カ月分に相当する米ドル準備金に充てられる予定です。

現在、同社の純資産は1億660万ドルで1株あたり純資産価値(NAVPS)は0.62ドルですが、株価は0.18ドルにとどまり、株価純資産倍率(PBR)は0.29倍と教育セクター平均の2.60倍を下回っています。ロジャー・ジェームズ・ハミルトンCEOは、永久優先証券の調達スキームを通じて5年間でNAVPSを2ドルから4ドルへ引き上げる目標を示しています。

ビットコイン購入の再開方針とAI準備金の運用実績

ビットコイン準備金について、同社は2024年11月に一度導入したものの、その後に保有を解消していました。今回の計画では、4年に一度の半減期サイクルにおける底値圏にあると判断し、2026年第4四半期に購入を再開する方針です。2029年に向けた価格上昇局面を見込み、8億2,700万ドル規模への拡充を目指します。

一方、2026年5月に始動したAI準備金では、同社の出資先企業において評価額の上昇が確認されています。アンソロピックの評価額が3,800億ドルから9,650億ドルへ、アンドゥリルが305億ドルから610億ドルへ、データブリックスが620億ドルから1,900億ドルへそれぞれ見直されたほか、スペースXとxAIの合算評価額もスペースXのナスダック上場を経て1.25兆ドルから1.9兆ドルへ約50%上昇しており、準備金資産に含み益が生じています。

同社は2026年7月の株主総会において、優先株式の発行権限(賛成率97.58%)および発行済み株式の最大20%を対象とする自社株買い権限(賛成率99.54%)をすでに取得しています。現在は優先証券や暗号資産トレジャリー分野で実績を持つ投資銀行と協議を進めており、具体的な発行条件や実施時期は取締役会の承認を経て決定される予定です。

ポイント

  • ジーニアス・グループが希薄化を伴わない永久優先証券を活用し、最大12億ドルの調達計画を発表した点
  • 8億2,700万ドルのビットコイン準備金と8億ドルのAI準備金を軸に、2031年度までに総資産20億ドルを目指す点
  • 2024年に解消していたビットコイン保有について、半減期サイクルの分析に基づき2026年第4四半期から購入を再開する方針である点
  • 出資先AI企業の評価額上昇による含み益を背景に、低迷する1株あたり純資産価値(NAVPS)の改善を狙っている点
ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
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