スイスで認可を受け、顧客資産を預からない仕組みを採用しているポケットビットコインは、セキュリティインシデントに関する調査結果を更新し、合計5,411人分の顧客情報が流出したことを発表しました。同社は購入されたビットコインをユーザー自身のウォレットへ直接送る運用を行っていますが、パートナー銀行との連携やコンプライアンス確認に用いられた通信データなどが漏えい対象となりました。基幹データベース自体への侵害は否定されたものの、サポート部門が保管していた通信記録を通じて氏名とアドレスや送金内容が結び付く形で流出しており、顧客資産を直接預からない体制であっても個人情報の管理が重要となる点を示す事例と見られます。実在する取引情報を用いた偽の連絡が行われるリスクがあるとして、同社は顧客への注意を呼びかけています。
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パートナー銀行との通信データから5,411人分の顧客情報が漏えい

ポケットビットコインは、2026年8月21日に公表したセキュリティインシデントについて、8月31日に調査結果を公表し、9月3日に内容を更新しました。今回の調査により、影響を受けた顧客の規模が5,411人に及ぶことが明らかになりました。
流出したデータは主に2つのグループに分かれています。1つ目は、パートナー銀行への本人確認や資金原資証明のために用いられた通信データが流出した291人です。このグループでは、氏名や郵送先住所、取引に使用されたビットコインアドレスに加え、身分証明書の写しや資金原資に関する書類が含まれていました。
2つ目は、パートナー銀行がコンプライアンス確認のために同社へ送付した取引一覧が流出した5,120人です。こちらには氏名や住所に加え、個別の銀行送金の金額や日付が含まれており、一部の顧客については送金元口座の国際銀行口座番号も対象となっています。同社は対象者に対し、流出した具体的な内容を明記した個別メールを順次送付しています。
サポート部門の通信記録が原因となり二次被害のリスクを警告
当初の発表において同社は、ビットコインアドレスやKYC(本人確認)データを含む顧客データベース、および取引履歴データベース自体への侵害はないと説明していました。今回の更新でも主要システム自体への侵害は否定されていますが、該当する種類のデータの一部がサポート部門に保存されていた通信記録の中に存在していたことが判明しました。これにより、外部から氏名とビットコインアドレス、あるいは氏名と送金内容などが結び付く状態になっていたと説明されています。
現時点において、流出したデータが悪用された兆候は確認されていません。しかし、氏名や住所、過去の正確な送金内容といった実在する情報が漏えいしたことにより、同社を装ったメールなどの偽の連絡が従来以上に信ぴょう性を持って届く可能性があるとして、注意が促されています。
ポイント
- スイス認可企業で非預託型の暗号資産購入サービスを提供するポケットビットコインにおいて、合計5,411人分の顧客情報流出が判明しました。
- 流出データには、本人確認書類やビットコインアドレスを含む291人分と、送金日や金額、一部の国際銀行口座番号を含む5,120人分が含まれています。
- 基幹データベースへの侵害はなかったものの、サポート部門が保管していた通信記録を経由して個人情報とオンチェーンアドレスや送金履歴が結び付いた点で、周辺データの管理体制が問われる事例と見られます。
- 現時点で悪用の兆候は確認されていないものの、正確な取引情報を悪用した信ぴょう性の高い詐欺連絡が発生する懸念があり、警戒が呼びかけられています。