決済サービスを提供するネットスターズは、ブロックチェーン「カイア(Kaia)」を運営するカイアDLT財団と基本合意書(MOU)を締結しました。カイア上で発行・流通するステーブルコインとネットスターズの決済基盤を接続し、訪日外国人による店頭支払いの利用拡大を目指します。加盟店側がステーブルコインを直接保有することなく日本円で受け取れる環境を整える計画であり、既存の店舗決済インフラを活用したWeb3決済の実装モデルとして注目されます。
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アジア通貨建てステーブルコインによる店頭決済と清算の仕組み

今回の協業では、韓国ウォン、香港ドル、台湾ドル、東南アジア主要国の通貨に連動するステーブルコインへの対応可能性が検討されます。訪日外国人が自国通貨に連動するステーブルコインで支払いを行い、国内の加盟店が代金を日本円で受け取れる仕組みを構築する想定です。
これにより、加盟店はステーブルコインを自ら保有・管理するリスクを負うことなく、新たな決済手段を導入できるようになります。両者は、複数通貨建てステーブルコインの交換や流動性供給、加盟店への清算プロセスについて共同で検証を進める方針です。その一環として、カイアのエコシステム内で外国為替取引を調整する基盤「Ratio」の活用も検討対象に挙げられています。
今後は技術、制度、事業の各面から実現可能性の検証が行われ、対象となるステーブルコイン銘柄や加盟店、提供方法などが具体化される見通しです。なお、本サービスの具体的な提供開始日については現時点で公表されていません。
既存加盟店網への接続とスターペイエックス構想の進展
今回の取り組みの基盤となるカイアは、LINEの「フィンシア(Finschia)」と韓国カカオの「クレイトン(Klaytn)」が統合して誕生したレイヤー1ブロックチェーンです。EVM(イーサリアム仮想マシン)との互換性を備え、決済や送金をはじめとする金融サービス向け基盤として展開されています。
一方のネットスターズが展開するマルチ決済サービス「スターペイ(StarPay)」は、約70万拠点の加盟店網を持ち、年間決済取扱高は2兆円を超えています。同社は既存の決済基盤とWeb3金融サービスを接続する「スターペイエックス(StarPay-X)」構想を掲げており、今回の合意もその取り組みの一環となります。
ネットスターズは2026年7月に店舗向け決済基盤「ステーブルコインペイ(Stablecoin Pay)」の提供を開始し、8月にはローソン店舗の既存POSレジと連携させた店頭実証実験を実施しました。実証では米ドル建てのUSDCやUSDT、日本円建てのJPYCを用い、複数のブロックチェーンに対応した決済の動作確認を完了しています。スターペイエックス構想のもとでは、アプトス(Aptos)やスターテイルグループ(Startale Group)など多様なパートナーとの連携を進めており、実店舗における暗号資産決済の実用化に向けたネットワークの拡充が進んでいます。
ポイント
- ネットスターズとカイアDLT財団がMOUを締結し、アジア通貨建てステーブルコインによる国内店頭決済の実現を目指す方針を発表しました。
- 韓国ウォンや香港ドル、東南アジア通貨などのステーブルコインに対応し、加盟店が直接暗号資産を保有せずに日本円で売上を受け取れる仕組みを検証します。
- 約70万拠点の加盟店網と年間2兆円超の取扱高を持つ既存インフラを活用し、訪日外国人向けの決済手段を拡張する取り組みとして注目されます。
- LINEとカカオの基盤統合により誕生したカイアの外為調整基盤「Ratio」を活用し、複数通貨の交換や清算プロセスの共同検証が行われます。
