米サークルがノーブル上のUSDCサポート終了へ。コスモス標準をインジェクティブ発行へ順次移行する方針

米サークルは、ステーブルコイン特化型ブロックチェーンのノーブルにおける米ドル連動型ステーブルコインUSDCおよびクロスチェーン転送プロトコルCCTP V1のサポートを段階的に終了すると発表しました。これに伴い、コスモスエコシステムの標準となるネイティブUSDCは、インジェクティブ上で発行されるUSDC.injへ順次移行されます。サークルが新世代プロトコルであるCCTP V2への移行を進めるなかでノーブルへの同バージョン導入は見送られ、2027年1月にかけて完全停止までのスケジュールが進行します。コスモスエコシステム内のステーブルコイン流動性基盤が再編される動きとして注目されます。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

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インジェクティブへの移行とコスモスエコシステム内の流動性

今回のサポート終了によって、コスモスエコシステムからネイティブUSDCがなくなるわけではありません。ノーブル上で流通していたUSDC.nは、サークルがインジェクティブ上でネイティブ発行するUSDC.injへと順次移行されます。

インジェクティブの発表によると、USDC.injはコスモスおよび分散型取引所dYdXの標準USDCとなり、ブロックチェーン間通信プロトコルであるIBCを通じて対応するコスモス系チェーンへ流通します。この移行作業は、クロスチェーンルーティングサービスのSkip:Goを通じて9月11日より開始されています。

サークルは2023年9月12日にノーブル上でUSDCのネイティブ発行を開始し、利用者はIBCを介してコスモスエコシステム内の各チェーンへUSDCを移動させていました。今後はその中核となる発行基盤がインジェクティブへ切り替わる形となります。

サポート停止の背景とノーブルの独自展開

サークルは現在、CCTP V1の段階的な廃止とCCTP V2への移行を進めていますが、ノーブルにはCCTP V2を導入しない方針を明らかにしています。

一方で、受け皿となっていたノーブル側の戦略変化も背景にあります。ノーブルは2023年、ステーブルコインや現実資産であるRWAの発行・移転を担うCosmos SDK基盤のチェーンとして立ち上げられました。しかし同チェーンは2026年1月、独立型のEVM(イーサリアム仮想マシン)対応レイヤー1へ移行すると発表しています。

ノーブルは既存のコスモスチェーンを短期的にサポートしつつ、長期的には保守モードへ移行させる方針を示していました。2026年1月の公表時点で立ち上げ以降の累計取引高は220億ドルを超え、50以上のブロックチェーンで主要な流動性基盤としての役割を果たしていましたが、チェーン自体の方向転換とサークルのプロトコル刷新が重なる形となりました。

2027年1月に向けた段階的停止のスケジュール

サークルはノーブル上のUSDCおよびCCTP V1について、段階的な停止プロセスを定めています。

機関向けサービスであるサークル・ミントを通じたノーブル向けUSDCの新規発行は、10月13日に停止される予定です。10月12日までは同サービスを通じてノーブルへの出金や償還を従来どおり利用できます。新規発行が停止された後も、ノーブルからの償還自体は2027年1月12日まで受け付けられます。

CCTP V1に関しては、10月31日からノーブルを送信元とするバーン(焼却)上限が段階的にゼロまで引き下げられます。12月1日以降はノーブルからの転送がCCTP V1への対応を継続する一部チェーンに限られる可能性があります。

最終的に2027年1月12日、ノーブル上のUSDCコントラクトと、ノーブルを経由するすべてのCCTP V1ルートが停止します。同日にはノーブル上に残るUSDC残高のスナップショットが取得され、翌1月13日からは残存USDCを対象とした手動償還プロセスが開始される計画です。手動償還を受けるにはサークルのコンプライアンス要件を満たし、保有者自身が管理するウォレットにUSDCを保管した上で、1月12日のスナップショットに記録されている必要があります。なお、10月13日から2027年1月12日までの期間は、ノーブル上でのUSDC送金自体は引き続き可能です。

ポイント

  • サークルがノーブル上でのUSDCおよびCCTP V1サポート終了を決定し、ノーブルへは新世代プロトコルCCTP V2を導入しない方針を示した点で注目されます。
  • コスモスの標準ネイティブUSDCがノーブルのUSDC.nからインジェクティブのUSDC.injへ移行し、エコシステム内の流動性供給ルートが再編される点で注目されます。
  • 新規発行の停止が10月13日、コントラクト停止および残高スナップショット取得が2027年1月12日と、長期的な段階的スケジュールが組まれている点で保有者の対応が重要となります。
  • ノーブル自身が2026年1月にEVM対応L1への移行を発表し既存チェーンを長期的に保守モードへ移す方針を示していた背景があり、インフラ戦略の変化を反映した事例として注目されます。
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