イーサリアムとレイヤー2ネットワークであるBaseによる、ネイティブなアカウント抽象化(スマートコントラクトを用いて柔軟なアカウント管理を実現する技術)に関する共同開発が決裂したことが開発者の発言から明らかになりました。両陣営はネイティブスマートアカウントの実装に向けて異なるアプローチをとる2つのドラフト提案を進めており、標準化の足並みが揃わない状況となっています。これにより、チェーン間のクロスチェーン互換性を維持するための開発負担が、インフラ層からウォレットやアプリケーション開発者へと移行する可能性があると指摘されています。
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ネイティブスマートアカウント設計におけるアプローチの相違
今回の共同作業の中止は、ネイティブスマートアカウントの実装方針を巡る設計思想の違いが背景にあると開発者によって明かされました。
現在、アカウント抽象化の領域では2つのドラフト提案が存在しており、それぞれが異なる技術的アプローチを採用しています。関連する開発者の報告によると、Base主導の提案とイーサリアム側の提案(EIP-8141など)との統合を目指した議論が行われていたものの、先週時点で合意に至らず決裂したとされています。プロトコル層での仕様統一が見送られたことで、両チェーンはそれぞれ独自のアカウント抽象化標準を進める形になると見られます。
ウォレットおよびアプリケーションへの作業負担の移行
両規格の非互換性に伴い、チェーン間の互換性を担保する責任がアプリケーション層へと委ねられる可能性が高まっています。
基盤レイヤーにおいて統一された規格が成立しない場合、異なるアカウント仕様の差異をソフトウェア側で吸収しなければなりません。そのため、クロスチェーンでの接続性や一貫したユーザー体験を維持するための実装作業が、ウォレットや分散型アプリケーション(dApps)の開発者に移ることになると見られます。ユーザーに対して仕様の違いを意識させない設計が可能である一方、開発者側には規格の断片化に対応するための追加的な開発負荷が生じる可能性があります。
ポイント
- Baseとイーサリアムの間で進められていたネイティブアカウント抽象化の共同開発が決裂したことが明らかになりました。
- ネイティブスマートアカウントの仕様について、異なるアプローチをとる2つのドラフト提案が個別に進められています。
- プロトコル層での規格統一が見送られたことで、クロスチェーン互換性の確保作業がウォレットやアプリケーション開発者側にシフトする可能性がある点で注目されます。
- 仕様の断片化に対応するため、エコシステム内の開発者側でマルチチェーン対応の負荷が増加する可能性が懸念されます。