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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米上院民主党がイランによる制裁回避へのUSDT利用を指摘。テザー社は約5億5,000万ドルの凍結実績を提示

米上院の民主党議員らは、イランが米国の経済制裁を回避するためにテザー社が発行するステーブルコイン「USDT」に依存していると指摘しました。これに対しテザー社側は、約5億5,000万ドル相当の資産を凍結した実績を提示し、法執行機関への協力を主張しています。暗号資産が国家主導の制裁回避手段として利用されているとの懸念に対し、発行体による凍結措置が抑止策として十分かどうかが議論となっています。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

イランによる制裁回避の指摘とテザー社の対立

米上院の民主党議員らは、イランが制裁網を潜り抜けて国際金融システムにアクセスするための主要な決済手段としてUSDTを利用しているとの見解を示しました。米上院調査常設小委員会による調査では、制裁対象となったイラン関連ウォレットの多くにおいてUSDTが排他的または中心的に取引されていたとされています。

この指摘に対し、テザー社は約5億5,000万ドル(約550 million dollars)規模の関連資金を凍結してきた実績を挙げて反論しました。USDTは米ドルに価値が連動するステーブルコイン(法定通貨と等価交換を目指す暗号資産)であり、テザー社側はスマートコントラクトを介して特定のウォレットアドレスにある資産を凍結する機能を備えています。テザー社は米当局などの要請に応じて迅速に対象ウォレットを遮断してきた立場をとっていますが、これまでの凍結実績だけで実効的な抑止策として十分であるかについて議会側との見解が対立しています。

ステーブルコインに対する規制監視の強化

米政府機関は暗号資産を用いた制裁回避行為への取り締まりを強化しており、米財務省などもデジタル資産セクターに対する法執行を強化しているとされています。ブロックチェーン分析により資金フローの追跡が可能である一方、民間のステーブルコインが国際的なシャドーバンキング(影の銀行)の決済基盤として利用されることに対する政治的懸念が高まっています。

ステーブルコイン発行体は法執行機関との連携による事後的な資産凍結を進めているものの、制裁対象による継続的な利用を予防的に遮断する仕組みが求められていく可能性があります。暗号資産市場で最大の流動性を持つUSDTが地政学的な規制リスクに直面していることは、業界全体のコンプライアンス体制やステーブルコインの利用環境に影響を与える要因と見られます。

ポイント

  • 米上院民主党は、イランが米国の制裁措置を回避するためにテザー社のUSDTに依存していると指摘しました。
  • テザー社は対抗姿勢を示し、イラン関連で約5億5,000万ドル相当の資産を凍結した実績を提示しています。
  • 発行体による資産凍結機能の運用実績が、国家主導の不正利用に対する十分な対策となっているかが問われています。
  • 米議会や規制当局によるステーブルコインの不正利用に対する監視が強まっており、今後のコンプライアンス基準に影響を与える可能性がある点で注目されます。

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