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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

サムスン電子が米国のGalaxy端末8,200万台向けにUSDC送金機能を提供へ。60カ国超の銀行口座へ現地通貨で送金可能にする方針

サムスン電子米国法人は、スマートフォン向けアプリ「Samsung Wallet」に米ドル建てステーブルコイン「USDC」の送金機能を搭載すると発表しました。10月最終週より、米国内のAndroid 13以上を搭載した対象Galaxy端末約8,200万台に向けて機能提供が開始されます。利用者は秘密鍵の管理や専用アプリの導入を必要とせず、外部ウォレットへの送金や60カ国超の銀行口座へ現地通貨建てで送金できるようになります。スマートフォン大手が日常的に使われる標準ウォレットにブロックチェーン基盤の海外送金を組み込むことで、ステーブルコインの実用性が一般利用者に大きく広がる可能性があります。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

秘密鍵の管理を排除した日常ウォレットでの海外送金機能

提供される送金機能は、米国の対象Galaxyユーザーが日常的に利用しているSamsung Walletアプリから直接利用できます。利用条件は、米国在住の18歳以上で、サムスンアカウントの登録、本人確認、および生体認証の設定を完了していることです。利用者が別のアプリをインストールしたり、暗号資産の秘密鍵(資産を管理するための暗号情報)を自己管理したりする必要はありません。

送金先としては、外部の暗号資産ウォレットと世界60カ国超の銀行口座の2種類が用意されています。外部ウォレットへのUSDC送金ではサムスン側の手数料は発生しませんが、受取側のウォレット事業者や取引所による独自の手数料が課される場合があります。

一方、60カ国超の対象銀行口座への送金では、受取人の現地通貨で着金する仕様となっています。送金手数料は仕向国や金額によって異なり、送金を確定する前に手数料と到着予定時刻がアプリ画面上に明示されます。なお、送金実行時には登録端末での生体認証が必須とされ、制裁対象国への送金は禁止されています。サムスン電子MX事業部でデジタルウォレットチームを率いるチェ・ウォンチョル副社長は、海外送金を端末内のウォレットを使うのと同じ手軽さにすることを目指したと説明しています。

ソラナとSuiを基盤に採用したインフラと保管体制

送金機能の裏側を支えるインフラは、複数の外部パートナー企業との分業によって構築されています。海外送金の仕組みは、ステーブルコインのカストディ(保管)およびインフラを提供するBastionが担っています。送金されるUSDCの保管は、Bastionのサブカストディアンであるコインベースの「Coinbase Prime Vault」で行われます。サムスン自身は銀行、送金事業者、カストディアンのいずれにも該当せず、利用者の資金を直接預からない体制をとっています。

基盤となるブロックチェーンには、ソラナ(SOL)とスイ(Sui)の2つが採用されました。ソラナ財団のリリー・リウ会長は、ステーブルコインが単なる暗号資産の商品から日常的な送金手段へと変化しているとの見解を示しています。財団によると、ソラナ上のステーブルコイン供給量は前年比で約20%増加し、2026年のステーブルコイン取引高は5.25兆ドルを超えていると公表されています。

またスイ側では、米国の利用者がスイ基盤のUSDCを保有および送金できる体制が整えられています。スイ上の機能ではネットワーク手数料(ガス代)を利用者が負担しない設計が導入されているため、ユーザーは送金手数料を支払うためにスイを別途保有する必要がありません。

店頭決済への機能拡張検討と今後のグローバル展開

サムスンは送金機能にとどまらず、オンライン決済や実店舗の店頭でGalaxy端末をかざしてステーブルコインで支払う決済機能の追加についても検討を進めています。

米国以外の地域に対するサービス展開については、各国の規制の整備状況に合わせて順次判断していく方針が示されています。

ポイント

・米国内で8,200万台にのぼるGalaxy端末を対象に、USDCを用いた送金機能が10月最終週から提供される点で注目されます。

・秘密鍵の管理や別アプリを不要とし、60カ国超の銀行口座へ現地通貨として直接着金できる仕組みを整えた点で、一般層の利用ハードルを大幅に下げる意義があります。

・ブロックチェーン基盤にソラナとSuiを採用し、Suiではガス代を利用者に負担させない設計とするなど、操作性を重視したインフラを採用している点で注目されます。

・コインベースでの資産保管や顧客資金を直接預からない構成を採用し、規制要件に配慮した体制で提供される点で重要です。

・将来的には端末をかざして行う店頭決済の追加検討や、各国の法規制に応じたグローバル展開が計画されている点で注目されます。

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