トランプ米大統領は2026年5月27日、自身のソーシャルメディアにおいて、米商品先物取引委員会(CFTC)が予測市場に対して独占的な規制権限を持つべきだとする支持を表明しました。現在、米国では予測市場の管轄権を巡り、連邦法に基づく規制を主張するCFTCと、独自の賭博法などで規制を試みる州当局との間で対立が激化しています。この大統領による支持表明は、予測市場の規制の標準化を後押しし、米国の暗号資産分野における国際的な競争力を維持する上で重要な意味を持つと見られます。
トランプ大統領によるCFTCの独占的規制権限への支持表明
トランプ大統領は2026年5月27日、自身のソーシャルメディアプラットフォームである「Truth Social」への投稿を通じて、予測市場におけるCFTCの役割を強調しました。同氏は、CFTCが予測市場に対して持つ排他的な権限を維持し、その市場が繁栄し続けることが極めて重要であると言及しています。
さらに同氏は、連邦政府の主導によって、各州の手本となる「ゴールドスタンダード(基本基準)」のルールを現在策定中であることを説明しました。その一方で、一部の州知事や司法長官が連邦政府の方針とは別に、独自の規制を設けようとする動きを見せていることについて、強く非難しています。
激化する連邦政府と州当局の管轄権争い
米国の予測市場を巡っては、その法的な扱いについて連邦政府と州政府の間で深刻な対立が生じています。
CFTC(米商品先物取引委員会)は、先物やデリバティブ取引などを監督する米国の連邦機関であり、予測市場の契約についても連邦法に基づく排他的な管轄権を有していると主張しています。これに対し、一部の州当局は、予測市場を州の賭博法に基づいて規制すべきだとして独自の動きを見せています。
この対立はすでに複数の訴訟へと発展しており、具体的には以下のような動きが報じられています。
- 2026年4月3日:CFTCが予測市場の規制を巡り州政府を提訴
- 2026年4月29日:CFTCが予測市場の監督権を巡りウィスコンシン州を提訴
- 2026年5月20日:CFTCが予測市場の州内禁止の差し止めを求め、ミネソタ州を提訴
- 2026年5月23日:予測市場プラットフォームであるKalshi(カルシ)およびPolymarket(ポリマーケット)が、ネバダ州とワシントン州での訴訟において、差し止めが認められない判断を受ける
このように、主要な予測市場プラットフォームの運営や規制を巡り、司法の場でも連邦と州の対立が続いています。
「世界の暗号資産の首都」としての米国の地位確保
トランプ大統領は今回の投稿において、米国が「世界の暗号資産の首都」であると改めて宣言しました。
同氏は、他国がこの新しい金融市場に注目し、米国の主導的な地位を奪おうと画策していると指摘した上で、「我々はそれを許さない」と強調しています。
この発言から、予測市場における規制の統一や市場の保護は、米国が世界のデジタル資産や暗号資産市場において競争優位性を維持するための国家的な戦略の一環に位置付けられていると推測されます。
ポイント
- トランプ大統領が、予測市場に対するCFTC(米商品先物取引委員会)の独占的かつ排他的な規制権限を支持する方針を表明しました。
- 予測市場の規制を巡っては、連邦法による管轄を主張するCFTCと、独自の賭博法で規制を試みる州当局との間で訴訟を含む対立が激化しています。
- 連邦政府は現在、各州の基準となる「ゴールドスタンダード」ルールの策定を進めており、トランプ大統領は州独自の規制導入の動きを批判しています。
- トランプ大統領は米国を「世界の暗号資産の首都」と位置づけており、予測市場の保護と連邦主導のルール統一は、国際的な競争力を維持する観点からも重要視されていると見られます。