主要な予測市場プラットフォーム全体の累計取引高は2026年5月に1,730億ドルを突破し、急速な拡大を続けています。なかでもKalshiがPolymarketを初めて逆転し、月間取引高で首位に立ちました。しかしその一方で、スペイン当局が両プラットフォームへの一時的なアクセス遮断を発表するなど、世界的な規制強化の動きが強まっています。市場の急成長と規制当局による厳しい監視という、予測市場が直面する二面性が浮き彫りとなっています。
Kalshiが月間取引高でPolymarketを初逆転し市場全体は1730億ドル超に拡大
主要な予測市場プラットフォーム全体の累計取引高は、4月の1,500億ドル強から、5月をまだ4日残した時点で1,730億ドル超へと大幅に増加しました。
この成長を牽引したのは、過去30日間で最も急速に取引を伸ばしたKalshiです。同社の月間取引高は、4月の737億ドルから5月には約867億ドルへと増加し、初めてPolymarketを上回りました。Kalshiは、米国の規制機関である商品先物取引委員会(CFTC)の監督下にある予測市場プラットフォームとされています。
一方、暗号資産を利用した分散型予測市場プラットフォームとされるPolymarketでも市場作成の動きが急増しており、5月に新たに立ち上げられた市場は約42万8,250件に達しました。取引高も4月の約760億ドルから5月には約860億ドルに増加したものの、月間アクティブトレーダー数は3月の約73万3,900人から5月には約55万8,400人へと減少傾向にあります。
スペインによるアクセス遮断と無許可賭博への懸念
市場が拡大する一方で、規制当局からの風当たりは強まっています。スペインの社会権・消費者問題・2030アジェンダ省は5月26日、必要な賭博免許を取得せずに運営しているとして、PolymarketとKalshiへのアクセスを一時的に遮断すると発表しました。
この措置は調査期間中の予防措置として出されたもので、3から4カ月続く見通しです。インターネットサービスプロバイダーにアクセス制限が命じられ、ユーザーには警告が表示されます。
スペインのギャンブル規制総局(DGOJ)は、ユーザーが不確実な将来の結果に連動するコントラクトを取引する場合、予測市場を賭博に分類しています。そして、両プラットフォームが必要な消費者保護、本人確認(KYC)システム、未成年者や自己排除登録者のアクセス防止措置などのコンプライアンス基準を満たしていないと主張しています。
世界的な規制強化の広がりと業界への影響
予測市場に対する規制強化はスペインに留まらず、世界各国で同様の措置が相次いでいます。
ブラジルでは4月、スポーツや政治、社会関連イベントに連動するデリバティブを規制当局が禁止したことを受け、PolymarketとKalshiを含む27の予測市場事業者がブロックされました。
アルゼンチンでも3月、違法賭博への懸念からPolymarketの全国的な遮断が命じられました。
また、インドネシアは5月に予測市場プラットフォームを国内法上のオンライン賭博に分類し、アクセス制限に動いています。
インドでも同様に法執行が強化されており、Polymarketが政府指令を受けてブロックされたほか、Kalshiも監視対象としてオンラインマネーゲーム規制の下に分類する動きが報じられています。
予測市場は、現実世界の出来事の発生確率を取引できる仕組みとして注目を集める一方、多くの法域で無許可の賭博やコンプライアンス違反とみなされるリスクを抱えています。今後、業界が健全な成長を遂げるためには、各国の規制要件をどのようにクリアしていくかが最大の焦点になると見られます。
ポイント
- 主要な予測市場全体の累計取引高は2026年5月に1,730億ドルを突破し、4月の1,500億ドル強から急拡大しています。
- Kalshiが月間取引高約867億ドルを記録し、Polymarketの約860億ドルを初めて上回って予測市場の首位に立ちました。
- スペイン当局は、必要な賭博免許を取得せずに運営しているとして、PolymarketとKalshiへのアクセスを3から4カ月間一時的に遮断する命令を出しました。
- ブラジル、アルゼンチン、インドネシア、インドなどでもアクセス遮断や分類規制が相次いでおり、世界的に規制強化の波が広がっています。
- 予測市場が今後もビジネスとして存続・拡大するためには、法的なコンプライアンスや消費者保護、本人確認(KYC)の徹底が不可欠であると見られます。