米予測市場のルール化に向けてホワイトハウスが審査を開始 連邦政府と州の管轄権争いが激化

米ホワイトハウスの情報規制局(OIRA)が、商品先物取引委員会(CFTC)の提出した予測市場に関する新たなルール案の審査を開始しました。この動きは、急速に成長する予測市場の監督権限をめぐる、連邦政府と各州政府の対立が激化する中で行われています。トランプ大統領が連邦機関であるCFTCの独占権を支持する一方で、独自規制を進める州側からは反発の声が上がっており、今後のWeb3業界や金融市場の規制のあり方に大きな影響を与える可能性があります。

ホワイトハウスによるルール審査の開始

米予測市場のルール化に向けてホワイトハウスが審査を開始 連邦政府と州の管轄権争いが激化

ホワイトハウスの情報規制局(OIRA)は、CFTCが提出した予測市場に関する新たなルール案を受理し、審査に入りました。OIRAはアメリカ大統領管理予算局(OMB)の一部門とされています。CFTCは、この審査プロセスが完了した後にルールの詳細を公表する方針を示しています。

このルール策定は、選挙やスポーツ、政治イベントなどの結果に資金を投じる「予測市場」の急成長に伴い、明確な規制枠組みを構築することを目的としています。

連邦政府と州政府による監督権の争い

予測市場の急速な台頭に対し、その監督権限を誰が持つべきかをめぐって深刻な対立が生じています。

連邦機関であるCFTCは、予測市場を監督する権限は自らにのみ属すると主張しています。これに対し、ニューヨーク州やイリノイ州などの複数の州政府は、これらのサービスが各州のギャンブル法に違反しているとして、独自に規制を強化する動きを見せています。

現在、CFTCはプラットフォームの制限を試みる5つの州を相手取り、監督権の独占を求めて法廷で争っています。この中には、ミネソタ州やウィスコンシン州などが含まれています。

政治的な対立と家族の利益をめぐる懸念

この管轄権争いに対し、トランプ大統領はCFTCの立場を支持する意向を表明しました。大統領は、独自の規制導入を進める州知事や司法長官を名指しで批判しています。

これに対し、批判された一人であるイリノイ州のプリツカー知事は、州による規制はオンライン予測市場におけるインサイダー取引を防止するために不可欠であると反論しました。

さらに同知事は、トランプ大統領の長男が予測市場プラットフォームであるPolymarketに出資し、Kalshiのアドバイザーを務めている事実を指摘し、大統領の介入は家族の利益を保護するためのものであると非難しています。

なお、Polymarketは暗号資産ベースの予測市場プラットフォームとされており、KalshiはCFTCの規制を受ける予測市場プラットフォームとされています。

業界にとっての重要性とビジネスへの影響

予測市場は、実世界の出来事の予測データを金融取引と結びつける新しい市場として注目を集めています。PolymarketやKalshiなどのプラットフォームが台頭する中、連邦政府による一元的な規制が確立されるか、あるいは州ごとのギャンブル法による個別規制が適用されるかは、今後のビジネス展開に決定的な違いをもたらします。

統一された連邦ルールが整備されれば、プラットフォーム運営企業にとって規制の予測可能性が高まる一方、インサイダー取引の防止や市場の健全性確保といった課題に対して、どのような基準が設けられるかが注視されています。

ポイント

  • ホワイトハウスの情報規制局(OIRA)が、CFTCの提出した予測市場に関する新たなルール案の審査を開始しました。
  • 予測市場の監督権をめぐり、独占的権限を主張する連邦機関のCFTCと、独自のギャンブル法などで規制を強める複数の州政府との間で法廷闘争を含めた対立が激化しています。
  • トランプ大統領はCFTCの立場を支持していますが、独自規制を進める州知事からは、大統領の家族が予測市場に関与していることを理由とした政治的介入への批判も生じています。
  • 今回のルール策定と管轄権争いの行方は、PolymarketやKalshiに代表される予測市場プラットフォームの今後の法的地位や、Web3・金融業界における規制環境を大きく左右する点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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