スペイン政府は2026年5月26日、予測市場プラットフォームであるPolymarket(ポリマーケット)とKalshi(カルシ)に対し、無許可で国内運営を行っていたとして制裁手続きを開始し、国内からのアクセス遮断を命じたと発表しました。スペインの規制当局は、両プラットフォームが提供する将来の出来事の予測取引サービスを、ライセンスが必要なギャンブルとみなしています。今回の措置は最終結論が出るまでの暫定的なものとされていますが、予測市場を巡る規制強化の動きは欧州だけでなく米国でも活発化しており、業界全体に影響を与える出来事として注目されます。
スペイン当局による制裁手続きとアクセス遮断の背景
スペイン政府の社会権利・消費・アジェンダ2030省は、PolymarketとKalshiの2社が、認可を得ずに国内でサービスを運営していたことを規制違反と判断しました。
スペインの賭博規制総局(DGOJ)は、政治選挙の結果や経済指標など、将来の出来事を予測して取引するこれらの市場を、「不確実な将来の結果に賭けるギャンブル」とみなしています。スペイン国内でこうしたギャンブルサービスを提供する事業者には特定のライセンスを取得する義務がありますが、両社はこの認可を得ずに運営していました。
今回のアクセス遮断は、制裁手続きの最終結論が出るまでの暫定的な措置です。両事業者は海外に拠点を置いているため直接の通知が成立せず、スペインの官報を通じて正式な手続きが通達されました。この問題の最終的な解決には、およそ3カ月から4カ月かかる見通しとされています。
対象となったプラットフォームの特徴
今回規制の対象となった2つのプラットフォームは、それぞれ異なるアプローチで予測市場を提供しています。
Polymarketは、ブロックチェーン技術(Ethereumのレイヤー2であるPolygonネットワークなど)を活用し、暗号資産(ステーブルコインなど)を用いて取引を行う分散型の予測市場プラットフォームとされています。
一方、Kalshiは、米ドルを用いて特定の出来事に連動する「イベント契約」を取引する、既存の金融規制への準拠を重視した予測市場プラットフォームとされています。
いずれも政治や経済、社会的な出来事などを対象とした予測取引を提供し、近年急速に台頭していました。
欧米における予測市場への規制強化と管轄権争い
予測市場に対する規制強化の動きはスペインに留まらず、米国でも大きな議論を呼んでいます。
米国ではPolymarketやKalshiの台頭を受け、連邦政府と各州の間で規制の管轄権を巡る対立が激化しています。連邦機関である米商品先物取引委員会(CFTC)は「監督権限は自らにある」と主張し、独自の規制を進めるウィスコンシン州やミネソタ州などの複数の州を提訴しています。
これに対し、ホワイトハウスもルール化に向けた審査を開始しました。トランプ大統領はCFTCの独占的な監督権限を支持する姿勢を示しているものの、各州の知事らはこれに強く反発しており、米国における予測市場の法的位置づけも転換期を迎えているとされています。
ポイント
- スペイン政府は、PolymarketとKalshiが無許可で国内運営を行っていたとして制裁手続きを開始し、国内からのアクセス遮断を命じました。
- スペインの賭博規制総局(DGOJ)は、予測市場を「不確実な将来の結果に賭けるギャンブル」とみなしており、運営にはライセンスが必要であると判断しています。
- 今回のアクセス遮断は暫定的な措置であり、最終的な解決にはおよそ3カ月から4カ月かかる見通しです。
- 予測市場に対する規制強化はグローバルな動きとなっており、米国でも連邦政府(CFTC)と各州の間で監督権限を巡る法的な対立が深まっています。