トランプ大統領、揺るぎない暗号資産市場構造の法制化を表明 クラリティ法案は上院委員会を通過も年内成立には課題

米国のドナルド・トランプ大統領は2026年5月28日、自身のソーシャルメディアにおいて、将来にわたって覆されることのない暗号資産市場構造を法制化する意向を表明しました [1]。この発言は、米国における暗号資産規制の明確化を目指すクラリティ法案(Clarity Act)が上院銀行委員会を通過したことを受けてなされたものです [1]。しかし、大統領を巡る政治的要因などから、同法案の年内成立については慎重な見方も浮上しています [1]。この動向は、今後の米国内における暗号資産ビジネスの法的安定性を左右する重要な局面として注目されます。

トランプ大統領の表明と規制当局への批判

トランプ大統領、揺るぎない暗号資産市場構造の法制化を表明 クラリティ法案は上院委員会を通過も年内成立には課題

ドナルド・トランプ大統領は5月28日、自身のソーシャルメディアであるTruth Socialへの投稿で、自身のリーダーシップの下で、暗号資産嫌いの人々によって覆されることのない、将来にわたり揺るがない暗号資産市場構造を法制化する方針を明らかにしました [1]。

さらに大統領は、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー元委員長や反暗号資産派が、ビットコインや暗号資産の永久先物、そしてイノベーションを米国外に追い出したと強く主張しています [1]。こうした発言からは、現政権がこれまでの規制主導の姿勢を改め、業界の成長を支える強固な法的枠組みを構築しようとする姿勢がうかがえます。

包括的な規制枠組みを目指すクラリティ法案の進展

トランプ大統領の発言は、暗号資産市場を包括的に規制するクラリティ法案が5月14日に米上院銀行委員会を通過した後に投稿されました [1]。

クラリティ法案(Digital Asset Market Clarity Act)は、米国における暗号資産の有価証券該当性や規制・監督の枠組みを明確化することを目的とする法案とされています。具体的には、暗号資産をデジタルコモディティ(商品)、投資契約資産、決済ステーブルコインなどに分類し、これまで曖昧だったSECと商品先物取引委員会(CFTC)の管轄境界を整理することを目指しているとされています。これにより、ビットコインをはじめとする多くの資産がCFTCの監督下にあるデジタルコモディティとして定義され、市場の不透明さが解消されることが期待されています。

法案成立を阻む政治的ハードルと今後の見通し

上院銀行委員会での進展があったものの、クラリティ法案が実際に成立するまでにはまだ時間がかかるとの指摘もあります [1]。

米投資銀行のTDコーウェンは、同法案の年内の成立は難しいとの見方を示しました [1]。その要因として、トランプ大統領を巡る利益相反問題により、民主党議員が同法案を支持することが難しくなっていることが挙げられています [1]。

また、暗号資産関連の分析を行うNYDIGは、クラリティ法案は8月までに可決されなければ成立が困難になると指摘しています [1]。さらに、5月11日には米銀行団体が上院銀行委員会に対し、同法案の再修正を求める書簡を送付するなど、業界内外での調整も続いています [1]。これらの政治的対立や利害調整の難航により、法案の成立時期が先送りされる可能性が懸念されます。

ポイント

  • トランプ大統領がソーシャルメディア上で、将来にわたり揺るがない暗号資産の市場構造を法制化する強い意向を表明しました [1]。
  • 大統領は、SECのゲンスラー元委員長らが暗号資産のイノベーションを国外に追い出したと批判しています [1]。
  • 包括的な暗号資産規制を目指すクラリティ法案は5月14日に米上院銀行委員会を通過しました [1]。
  • 同法案はSECとCFTCの管轄を整理し、暗号資産の分類を明確化するものとされています。
  • トランプ大統領を巡る利益相反問題などを背景に、TDコーウェンは同法案の年内成立は難しいとの見通しを示しています [1]。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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