米国の資産運用会社VanEck(ヴァンエック)は2026年5月28日、米国初となるビルドアンドビルド(BNB)の現物ETF(上場投資信託)「VanEck BNB ETF(ティッカー:VBNB)」をナスダックに上場したと発表しました。この上場により、投資家は暗号資産を直接購入・管理することなく、既存の証券口座を通じてBNBへの投資機会を得ることが可能になります。今回の動きは、主要なブロックチェーン資産が伝統的な金融市場へ参入する重要なマイルストーンとして注目されます。
米国初のBNB現物ETF「VBNB」の概要と仕組み
VanEckが上場した「VBNB」は、暗号資産取引所Binance(バイナンス)が開発をサポートするブロックチェーン「BNB Chain(BNBチェーン)」のネイティブトークンであるBNBの価格に連動する現物ETFです。
VBNBの運用手数料は0.39%に設定されています。本ETFが保有するBNBは、カストディアン(資産保管会社)であるAnchorage Digital Bank(アンカレッジ・デジタル・バンク)を通じて、安全なコールドストレージ(ネットワークから隔離された保管環境)で保管される仕組みとなっています。
これにより、米国の投資家は、自身でデジタルウォレットを管理したり、暗号資産取引所に口座を開設したりする手間を省き、従来の証券口座から手軽にBNBへの投資機会を得ることができるようになります。
BNBおよびBNBチェーンの市場における位置づけ
BNBは、時価総額やユーザー数において世界有数の規模を誇る主要な暗号資産とされています。BNBチェーンは、分散型金融(DeFi)、決済、ブロックチェーンゲーム、ステーブルコインなど、多岐にわたるアクティビティをサポートするパブリックブロックチェーンです。
VanEckの発表やWebサイトの情報によると、BNBチェーンは1日あたりの取引件数およびアクティブユーザー数において世界有数のパブリックブロックチェーンとされています。VanEckの分析では、BNBチェーンは1日あたり約1400万件のトランザクションを処理し、250万人以上のデイリーアクティブユーザーをサポートしているとされています。ネットワーク内でのガス代(取引手数料)の支払いやその他のユーティリティにBNBが使用されるため、継続的なオンチェーン需要が存在することが特徴とされています。
承認までの経緯と競合他社の動向
VanEckは2025年5月にBNB現物ETFの申請を初めて行いました [ソース1]。その後、2026年5月15日に米証券取引委員会(SEC)へ登録届出書の第5次修正版を提出し、今回の上場に至りました。
同様の動きは他社でも進んでおり、大手資産運用会社のGrayscale(グレイスケール)も2026年1月にBNB現物ETFを申請しています。GrayscaleはVanEckが修正版を提出したのと同日の2026年5月15日に、第2次修正届出書をSECに提出したことが明らかになっています。このように、複数の主要な資産運用会社がBNBを対象とした金融商品の提供に向けて動いており、BNBに対する伝統的金融市場からの関心の高さがうかがえます。
業界における重要性とビジネスパーソンへの影響
今回のBNB現物ETFの上場は、Web3業界や金融ビジネスにおいて以下の観点から重要と見られます。
まず、ビットコインやイーサリアムなどの主要な暗号資産に続き、BNBが米国の主要な証券取引所に上場したことは、暗号資産市場全体の制度化がさらに進んでいることを示しています。
特にBNBは、世界最大級の暗号資産取引所であるBinanceのエコシステムと密接に関連しているため、本ETFの登場は、これまで直接的な投資を躊躇していた伝統的な機関投資家や個人投資家が、規制された安全なフレームワークを通じてBNBのエコシステムへ投資する呼び水となる可能性があります。これにより、BNBチェーン上のDeFiや決済、ゲームといった各種Web3ビジネスへの資金流入や、関連プロジェクトの活性化につながる可能性があります。
ポイント
- 資産運用会社VanEckが、米国初となるBNBの現物ETF「VBNB」をナスダックに上場しました。
- 運用手数料は0.39%で、保有するBNBはAnchorage Digital Bankのコールドストレージで安全に保管されます。
- 投資家は直接暗号資産を保有することなく、既存の証券口座を通じてBNBへの投資が可能になります。
- BNBチェーンは1日あたりの取引件数が約1400万件に達するなど、世界有数のアクティブなパブリックブロックチェーンとされています。
- 競合のGrayscaleも同様にBNB現物ETFの申請手続きを進めており、主要な暗号資産のETF化を巡る競争が活発化しています。