Custodia Bank、FRBのマスターアカウント却下を巡り最高裁への上訴期限を7月11日まで延長

暗号資産(デジタル資産)に特化した金融機関であるCustodia Bankは、米連邦準備制度(FRB)によるマスターアカウント(決済システムに直接アクセスするための口座)の申請却下を巡り、米国最高裁判所へ上訴する準備を進めています。最高裁判所のニール・ゴーサッチ判事は、Custodia Bankによる上訴状の提出期限を30日間延長し、2026年7月11日とすることを認めました。この裁判は、州公認のデジタル資産銀行が米国の基幹決済インフラに直接アクセスできるか、またFRBがそのアクセスを拒否する裁量権を持つかを問うものです。Web3業界における金融アクセス権を左右する可能性がある法的事案として注目されています。

最高裁への上訴期限が7月11日まで延長

Custodia Bank、FRBのマスターアカウント却下を巡り最高裁への上訴期限を7月11日まで延長

暗号資産分野に特化したワイオミング州公認の特別目的預金取扱機関(SPDI)であるCustodia Bankは、FRBとの法的闘争を最高裁判所へ持ち込むための準備期間を確保しました。2026年5月22日にCustodia Bankが提出した申請に基づき、最高裁判所のニール・ゴーサッチ判事は5月29日、上訴手続きに必要な書類(移送命令請求書)の提出期限を当初の6月11日から7月11日まで延長することを認めました。これにより、同行は最高裁に対してFRBの判断を審査するよう求める上訴状を正式に提出するための猶予を得たことになります。

マスターアカウントを巡るこれまでの経緯と争点

マスターアカウントとは、金融機関がFRBの決済ネットワーク(資金移動や取引決済を行う基幹インフラ)に直接アクセスするための口座を指します。これを持たない金融機関は、大手銀行などの仲介業者を介して決済を行う必要があり、コストや運用面において不利益を被ることになります。

Custodia Bankは2020年10月にマスターアカウントの申請を行いましたが、2023年1月にカンザスシティ連邦準備銀行から却下されました。却下の理由として、同行の暗号資産に焦点を当てたビジネスモデルが決済システムに対して安全性と健全性の観点から過度なリスクをもたらすことが挙げられています。

これに対しCustodia Bankは、法的に適格なすべての預金取扱機関に対し、FRBは自動的にマスターアカウントを付与する義務があると主張して提訴しました。しかし、下級地方裁判所および第10巡回区控訴裁判所はFRB側の裁量権を認める判決を下し、2026年3月の再審理請求も却下されたため、今回の最高裁への上訴に至りました。

Web3業界におけるビジネスへの影響と重要性

この裁判の行方は、暗号資産やWeb3関連のビジネスを展開する企業が、米国の伝統的な金融インフラへどのようにアクセスできるかに直接的な影響を与える可能性があります。

もし最高裁がCustodia Bankの主張を支持する判断を下せば、FRBが独自の判断でデジタル資産関連の金融機関への口座付与を拒否する権限が制限され、Web3企業を対象とする銀行がより容易に決済ネットワークへ参入できるようになると見られます。一方で、FRB側の裁量権が最終的に認められた場合、暗号資産ネイティブな企業は今後も伝統的な銀行を仲介役として頼らざるを得ず、決済コストの削減や運用の効率化において制約を受け続ける可能性があります。

ポイント

  • Custodia Bankは、FRBによるマスターアカウント申請却下に対する最高裁への上訴期限を2026年7月11日まで延長する承認を得ました。
  • マスターアカウントはFRBの決済システムに直接アクセスするための口座であり、これを持たない金融機関は仲介業者への依存を余余儀なくされ、コストや運用面で不利になります。
  • FRBは、Custodia Bankの暗号資産ビジネスが決済システムに過度なリスクをもたらすとして申請を却下し、これまでの下級裁判所もFRBの却下裁量権を支持しています。
  • この裁判は、州公認のデジタル資産銀行が伝統的な金融インフラに直接アクセスする権利を持つかを決定づけるため、Web3業界の今後の決済環境や金融アクセスにおいて極めて重要です。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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