米クラリティ法案の早期成立をルミス上院議員が主張 中国との競争や2030年までの法整備遅延を懸念

米共和党のシンシア・ルミス上院議員は2026年5月30日、暗号資産市場構造法であるクラリティ法案の早期成立を強く促しました。ルミス氏は、米国がデジタル資産規制のグローバル基準を早期に確立しなければ中国に主導権を握られると警告し、現議会での成立を逃した場合、次の機会は2030年まで遅れる可能性があると指摘しています。本法案は、米国における暗号資産の規制管轄を明確にする重要な法案として注目されていますが、銀行界の反対や政治日程などの課題も山積しています。

法案成立を急ぐルミス議員の意図と中国への危機感

米クラリティ法案の早期成立をルミス上院議員が主張 中国との競争や2030年までの法整備遅延を懸念

シンシア・ルミス上院議員は5月30日、自身のXにて、米国がデジタル資産規制のグローバル基準を確立しなければ他国がその役割を果たすことになるとし、中国は待ってくれないと投稿しました。この発言の意図は、中国との競争関係を踏まえ、立法の遅れが米国の優位性喪失に直結するという危機感を議会に訴えることにあります。

ルミス氏は、現在のドル基軸の金融システムに続く次の金融時代のルールを、米国自身が築くべきだと主張しています。また、同氏は別の投稿において、現在の議会で法案の成立を逃した場合、次の機会はおそらく2030年になると警告しており、今会期中の立法化が極めて重要であると強調しています。

クラリティ法案の概要と法制化に向けた議会の進捗

クラリティ法案(Digital Asset Market Clarity Act)は、米国の暗号資産市場における規制の不確実性を解消するために提案された法案です。一般的に、この法案は証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄範囲を明確に区分し、十分に分散化されたネットワークのトークンをコモディティとしてCFTCが規制する枠組みを設けるものとされています。

本法案は2026年5月に上院銀行委員会を賛成15、反対9で通過しました。しかし、法案が成立するまでにはまだ複数のプロセスが残されています。現在は、上院農業委員会案との統合作業が残っている状況です。さらに、上院本会議での採決においては、議事妨害(フィリバスター)を回避するために60票以上の賛成票を確保する必要があり、そのためには少なくとも7名の民主党議員の賛成が不可欠であると見られています。

銀行界の抵抗や政治日程など山積する課題

クラリティ法案の年内成立に向けては、いくつかの大きな障壁が存在しています。

まず、金融業界からの強い抵抗が挙げられます。JPMorgan(ジェイミー・ダイモンCEO)が現行の法案に対して反対を表明しており、銀行界の反発が強まっています。

また、米国の中間選挙を控えた政治日程も法案成立の逆風となっています。投資銀行のTD Cowenは、議員らが夏季休会に入る8月前の成立は困難であると分析しています。このような背景から、予測市場Polymarketが算出する2026年中の成立確率は約60%にとどまっており、早期の法制化に対する見通しは楽観視できない状況が続いています。

ポイント

  • ルミス上院議員は、米国がデジタル資産のグローバル基準を早期に確立しなければ中国に主導権を奪われると警告し、クラリティ法案の速やかな成立を求めました。
  • 同議員は、現議会で法案を成立させられなければ、次の機会は2030年まで遅れる可能性があると指摘しており、時間的な余裕がないことを強調しています。
  • クラリティ法案は、米国における暗号資産規制の管轄(SECとCFTCの切り分けなど)を明確にするための重要な法案とされています。
  • 2026年5月に上院銀行委員会を通過したものの、今後は上院農業委員会案との統合や、本会議でのフィリバスター回避に必要な60票の確保が課題となります。
  • JPMorganのダイモンCEOら銀行界による反対や、中間選挙前の過密な政治日程が逆風となっており、8月の夏季休会前の成立は困難との見方から、年内成立確率は予測市場で約60%にとどまっています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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