暗号資産取引所のコインベースは、資産運用会社プロシェアーズが手がけるステーブルコインの準備金管理に特化したETFへの投資を発表しました。このETFは、米国のステーブルコイン規制法であるGENIUS法に準拠するよう設計された初のマネーマーケットETFです。コインベースは、ステーブルコインの流通や決済だけでなく、準備金インフラの分野へも事業を拡大する方針を示しています。今回の投資は、法規制の整備に伴い高まる準備金管理商品の需要を取り込むための戦略的な動きと見られます。
コインベースによるProSharesのETF「IQMM」への投資
コインベースは2026年6月2日、プロシェアーズが提供するステーブルコイン特化型のETFであるProShares GENIUSマネーマーケットETF(以下、IQMM)に投資したことを発表しました。具体的な投資額は公表されていません。
IQMMは2026年2月にローンチされたETFであり、残存期間93日以内の短期米国債や現金、現金同等物で運用されています。ローンチ初日から高い人気を集めており、ステーブルコインの準備金に関連する金融商品への強い需要が示されています。
米国の規制法「GENIUS法」とETFの設計背景
IQMMは、米国のステーブルコイン規制法であるGENIUS法(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Actとされています)の下で、準備金として適格となるよう設計された初のマネーマーケットETFです。
GENIUS法は、ステーブルコインの発行者に対して、現金、銀行預金、短期米国債などの極めて流動性の高い資産によって、発行するトークンを1対1で裏付けることを義務付けています。同法によって米ドルペッグ型トークンの裏付け資産の種類が正式に規定されたことを受け、コインベースはステーブルコインの準備金管理に特化した商品の需要が今後さらに高まると見込んでいます。なお、GENIUS法は2025年に米国で成立した連邦法とされています。
準備金インフラへの事業領域拡大と今後の影響
コインベースは、フルスタックのステーブルコイン決済ソリューションを提供するだけでなく、ステーブルコインの規模拡大を支援するツールのサポートも行う方針を掲げています。同社は米ドルペッグのステーブルコインであるUSDコイン(USDC)の発行元であるサークル(Circle)社に対して主要なインフラを提供していますが、今回の投資を通じて、流通、決済、開発者向けツールに続き、新たに準備金インフラへと事業領域を広げる狙いがあると見られます。
なお、コインベースは同日に決済サービス企業のCheckout.comとの提携も発表しました。しかし、ビットコインをはじめとする暗号資産市場全体の下落を背景に、同日のコインベースの株価は4%以上下落しました。
ポイント
- コインベースが、ProSharesのステーブルコイン準備金特化型ETFであるIQMMへの投資を発表しました。
- IQMMは米国のステーブルコイン規制法であるGENIUS法の下で、準備金として適格となるよう設計された初のETFです。
- コインベースは、従来の流通や決済のサポートに加え、準備金インフラの分野へ事業を拡大する方針です。
- 規制法によって裏付け資産が正式に規定されたことで、準備金管理に特化した商品の需要が高まると見込まれています。