マイクロストラテジーのビットコイン売却が波紋、株価とBTC価格が下落し「セイラー依存」への懸念再燃

米マイクロストラテジー(現ストラテジー社)が、約41か月ぶりとなるビットコイン(BTC)の売却を行ったことが明らかになりました。売却額は約250万ドル(32 BTC)と同社の保有量全体から見れば極めてわずかな規模にとどまりますが、市場は敏感に反応し、同社株(MSTR)とビットコイン価格はいずれも急落しました。この事態を受けて、専門家の間ではビットコイン市場が特定の企業や共同創業者であるマイケル・セイラー氏の動向に過度に依存している「マイクロストラテジー問題」への懸念が再び高まっています。

41か月ぶりの売却と市場の急反落

マイクロストラテジーのビットコイン売却が波紋、株価とBTC価格が下落し「セイラー依存」への懸念再燃

同社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した報告書(Form 8-K)によると、マイクロストラテジーは2026年5月26日から31日にかけて、保有するビットコインのうち32 BTCを平均約77,135ドル、総額約250万ドルで売却しました。同社によるビットコインの売却は2022年12月以来、約41か月ぶりとなります。

この売却は、同社が発行する優先株(STRC)の配当支払いに充てるために実施されたとされています。しかし、この発表を受けて市場は大きく動揺しました。2026年6月2日の取引において、マイクロストラテジーの株価(MSTR)は前日比で9.95%下落して取引を終え、ビットコイン価格も前日比で8.58%下落し、67,206ドル付近まで急落しました。

「売却ゼロ」方針からの転換と市場の過剰反応

今回の売却数量(32 BTC)は、マイクロストラテジーが保有する膨大なビットコイン残高(843,706 BTC、約630億ドル相当)のわずか約0.0038%にすぎません。

それにもかかわらず市場が過剰に反応した背景には、同社の共同創業者であるマイケル・セイラー氏がこれまで掲げてきた、ビットコインを「決して売却しない」という強いメッセージからの方向転換(Uターン)と捉えられた点があります。セイラー氏は過去に、必要なら腎臓を売ってでもビットコインを保持し続けるよう投資家に呼びかけるなど、徹底した長期保有(HODL)姿勢を示していました。そのため、たとえ優先株の配当支払いを目的とした限定的な売却であっても、市場やメディアはこれを象徴的な出来事として受け止めたと見られます。

深まる「セイラー依存」とビットコインの課題

アナリストや専門家は、今回の市場の動揺がビットコインにおける「マイクロストラテジー問題」を浮き彫りにしたと警告しています。これは、特定の単一企業やマイケル・セイラー氏個人の動向に、ビットコインの市場価格や投資家心理が大きく左右されるという依存構造を指します。

一部のETF(上場投資信託)専門家は、わずか0.004%に満たない売却でこれほど大きな売りを誘発したことについて、市場の反応は過剰(ヒステリック)であると指摘する一方、このような些細な取引が市場全体の重石となること自体が、特定の主体への依存リスクの高さを示していると分析しています。

ポイント

  • マイクロストラテジーが2022年12月以来、約41か月ぶりに32 BTC(約250万ドル相当)を売却しました。
  • 売却は優先株(STRC)の配当支払いを目的とした資金調達の一環とされています。
  • 売却量は保有量全体の約0.0038%と極めて少額ですが、同社の「売却しない」方針からの転換とみなされ、市場に動揺が広がりました。
  • 発表後、マイクロストラテジー株(MSTR)は9.95%急落し、ビットコイン価格も67,000ドル台前半まで下落しました。
  • 特定の企業やマイケル・セイラー氏の動向に市場が過度に左右される「セイラー依存」のリスクが、改めて業界の注目を集めています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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