現実資産(RWA)のトークン化を手掛ける大手インフラ企業であるSecuritize(セキュリタイズ)は、特別買収目的会社(SPAC)との事業統合に関する登録届出書について、米証券取引委員会(SEC)から有効性の宣言を受けたと発表しました。統合相手はCantor Fitzgerald(キャンター・フィッツジェラルド)傘下のCantor Equity Partners II(CEPT)です。この承認により、同社の上場に向けた手続きは大きく前進しました。統合案は2026年6月29日に予定されているCEPTの臨時株主総会で投票にかけられ、承認された場合は速やかに取引が完了する見込みです。
上場に向けた手続きの進捗と今後のスケジュール
セキュリタイズは2025年10月、CEPTとの最終的な事業統合契約を締結したと発表していました。当時の発表ではナスダック上場に向けた契約とされていましたが、今回の発表では、統合後の新会社であるSecuritize Corp.の株式はニューヨーク証券取引所(NYSE)において、ティッカーシンボル「SECZ」で取引される予定となっています。
上場プロセスの次のステップとして、2026年6月29日にCEPTの臨時株主総会が開催されます。この総会で株主による投票が行われ、統合案が承認されれば、その後速やかに事業統合が完了する見込みです。
なお、SPAC(特別買収目的会社)とは、自らは特定の事業を行わず、未公開企業との合併・統合を目的として設立・上場される企業のことです。この仕組みを利用することで、未公開企業は通常よりも迅速に株式公開を行うことが可能になるとされています。
RWAトークン化市場での実績と大手金融機関との提携
セキュリタイズは、伝統的な金融資産をブロックチェーン上でデジタル資産化する「RWA(現実資産)トークン化」の分野で、主要なインフラ提供企業として位置づけられています。同社は、BlackRock(ブラックロック)、Apollo Global Management(アポロ・グローバル・マネジメント)、Hamilton Lane(ハミルトン・レーン)、KKR、VanEck(ヴァンエック)などの世界的金融機関と提携しています。
特にブラックロックとの提携は大きな注目を集めており、2024年に立ち上げられたトークン化MMF(マネーマーケットファンド)「BUIDL」は、トークン化された米国債ファンドとして最大級の規模を持つ商品に成長しています。
さらに同社は2026年4月にComputershare(コンピューターシェア)との提携を発表し、米国株のオンチェーン化(ブロックチェーン上での管理や取引)に向けた取り組みを進めています。業績面でも急成長を遂げており、2026年1月には売上高が前年比841パーセント増を記録したほか、2026年5月には第1四半期の売上高が過去最高を記録したことが報告されています。
ポイント
- 米証券取引委員会(SEC)がSPACとの事業統合に関する登録届出書を承認し、セキュリタイズの上場に向けた手続きが大きく前進しました。
- 2026年6月29日に予定されている株主投票で承認が得られた場合、新会社であるSecuritize Corp.としてニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する予定です。
- 同社はブラックロックやKKRなどの大手金融機関と提携し、最大級のトークン化ファンド「BUIDL」を手掛けるなど、RWA市場の主要インフラを担っています。
- 過去最高の四半期売上高を記録するなど業績も拡大傾向にあり、上場を果たすことでRWA市場のさらなる拡大や制度化が進む可能性がある点で注目されます。