株式会社メタプラネットは2026年6月12日、私募債を中心としたオンライン証券会社であるSiiibo証券株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結したと発表しました。取得価額は21億円(約1300万ドル)とされています。この買収は、メタプラネットが推進するビットコインを中核とした金融プラットフォームの構築を目指す中長期戦略「Project Nova」の第一弾となる本格的なM&A案件です。同社は、第一種金融商品取引業のライセンスを持つSiiibo証券を傘下に収めることで、日本国内の投資家に向けたビットコイン連動型利回り商品の開発および直接販売の体制を構築するとしています。
買収の目的と中長期戦略「Project Nova」の始動
メタプラネットは、ビットコインを長期的な準備資産として蓄積するトレジャリー戦略を進めており、2026年5月末時点で4万177BTCを保有する、アジア最大級のビットコイン保有企業とされています。
今回のSiiibo証券の完全子会社化は、メタプラネットが掲げる中長期戦略「Project Nova」を具体化する最初の本格的なM&A案件です。「Project Nova」は、ビットコインを中核に据えた金融プラットフォームおよびエコシステムを日本国内で構築することを目指す戦略とされています。
メタプラネットは、Siiibo証券が保有する第一種金融商品取引業の登録ライセンスとオンライン証券プラットフォームを活用し、ビットコイン連動型の債券や利回り商品、デジタル金融商品などの開発・直接販売を推進していく方針です。
日本市場における背景と買収の意義
メタプラネットの発表によると、日本国内では金融・資本市場のデジタル化が進展しており、ステーブルコインやトークン化債券を中心としたインフラ整備が進められています。
また、日本の家計には多額の現預金や低利回り商品が滞留しており、デフレからインフレへの転換に伴い、これらの資金が利回りを求めて動き始めていると指摘されています。メタプラネットは、自社が保有するビットコイン資産を裏付けとし、日本の投資家に対して新たな利回りの選択肢としてビットコイン関連の金融商品を提供することを目指しています。
買収対象となるSiiibo証券は、企業が発行する社債(私募社債)をオンラインで個人投資家に販売するプラットフォームを運営する、国内個人向け社債オンラインプラットフォームの先駆的な企業です。今回の取引により、メタプラネットは新規のライセンス取得に必要な時間やコストを抑え、即座に規制に準拠した金融サービスを展開する足場を確保したとされています。
今後のスケジュールと商号変更の予定
今回の株式取得に関する契約は2026年6月12日に締結されました。取引のクロージングは2026年7月13日を予定しており、その後、所定の手続きを経て、Siiibo証券の商号を「株式会社メタプラネット証券」に変更する予定であると発表されています。完全子会社化の手続き完了は2026年8月下旬を予定しています。
買収資金には主に手元現金と借入金が充てられ、補完的にビットコインを担保とする借入枠も活用される可能性があるとされています。
ポイント
- メタプラネットがSiiibo証券を21億円(約1300万ドル)で完全子会社化することに合意しました。
- 第一種金融商品取引業のライセンスを持つオンライン証券会社を傘下に収めることで、日本国内でビットコイン連動型利回り商品を直接販売する体制を整えます。
- ビットコインを中核とする金融エコシステムの構築を目指す中長期戦略「Project Nova」の最初の本格的なM&A案件として注目されます。
- クロージングは2026年7月13日に予定されており、買収完了後に「株式会社メタプラネット証券」へ商号変更される予定です。