リップル社CEO、CLARITY Actを巡りJPMorganのジェイミー・ダイモン氏を強く批判

リップル社の最高経営責任者であるブラッド・ガーリングハウス氏は、米国の暗号資産規制法案「CLARITY Act」を巡り、JPMorganのジェイミー・ダイモン最高経営責任者による発言を「意図的な事実の歪曲」であると批判しました。ガーリングハウス氏は、ダイモン氏が同法案のコンプライアンス上の影響を誤って伝えていると主張しています。この対立は、米国におけるデジタル資産の包括的な規制枠組みの構築や、機関投資家による採用の行方を左右する局面で発生しています。

対立の背景とガーリングハウス氏による反論

リップル社CEO、CLARITY Actを巡りJPMorganのジェイミー・ダイモン氏を強く批判

リップル社のブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者は、テレビ番組のインタビューにおいて、JPMorganのジェイミー・ダイモン最高経営責任者を厳しく批判しました。ダイモン氏は、提案されている暗号資産規制法案「CLARITY Act」について、マネーロンダリング防止(AML)や銀行秘密法(BSA)への対応が不十分であり、コンプライアンス基準を弱めるものであると主張していました。

これに対しガーリングハウス氏は、同法案がコンプライアンスの懸念を軽減したり不正行為を容易にしたりするものではないと反論しました。同氏は、ダイモン氏の発言を「意図的な事実の歪曲、あるいは過失」であるとし、法案への支持を減退させようとする試みであると非難しています。さらに、JPMorganが決済事業から多額の収益を得ていることを挙げ、ダイモン氏が自社の非常に収益性の高いビジネスを守るために反対しているとの見方を示しました。

CLARITY Actの概要と法的な意義

CLARITY Act(正式名称:Digital Asset Market Clarity Act)は、米国における暗号資産市場の包括的な規制枠組みを構築することを目指した法案です。この法案は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の間におけるデジタル資産の管轄権の争いを解決し、明確な監督責任の分担を定めることを目的としています。

具体的には、デジタル資産が証券(投資契約など)と商品(コモディティ)のどちらに該当するかの境界線を明確に引き、CFTCにデジタル商品の現物市場に対する管轄権を与える一方、投資契約資産に対するSECの管轄権を維持する内容となっています。これにより、法的な不確実性を解消し、イノベーションの促進と投資家保護の両立を目指しています。

法案の進捗状況と今後の課題

同法案は2025年5月に下院で導入され、2026年5月14日には上院銀行委員会を15対9の賛成多数で通過しました。法案が成立するためには、今後上院および下院の本会議での可決、ならびに大統領による署名が必要とされています。

一方で、法案の成立に向けてはいくつかの課題も指摘されています。特に、暗号資産取引所などのプラットフォーム上でステーブルコイン(米ドルなどの資産に価値がペッグされた暗号資産)を保有するユーザーに対して報酬(イールド)を提供することを認める規定を巡り、銀行業界からの強い反対があるほか、倫理規定や法執行上の監督権限を巡る議論も続いているとされています。

ポイント

  • リップル社のガーリングハウス最高経営責任者は、JPMorganのダイモン最高経営責任者がCLARITY Actのコンプライアンス要件を誤解させていると批判しました。
  • ダイモン最高経営責任者は同法案がマネーロンダリング防止などの基準を弱めると主張したのに対し、ガーリングハウス最高経営責任者はこれを否定しました。
  • ガーリングハウス最高経営責任者は、JPMorganが自社の決済事業の利益を守るために法案に反対していると指摘しています。
  • CLARITY Actは、証券取引委員会と商品先物取引委員会のデジタル資産に対する管轄権を明確に分けることで、米国の暗号資産市場に法的な明確さをもたらすことを目指す法案です。
  • 同法案は2026年5月に上院銀行委員会を通過したものの、ステーブルコインのイールド提供などを巡る議論が現在も続いています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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