米国の民主党上院議員であるロン・ワイデン氏が、議会指導部に対し、包括的な暗号資産法案においてブロックチェーン開発者を保護する規定を維持するよう強く求めています。この規定は、ユーザーの資金を直接管理しないノンカストディアル型(自ら顧客資産を預からない形式)の開発者を資金移動業者の規制対象から除外することを目指すものです。業界からはイノベーションの国内維持に不可欠であると支持される一方で、法執行機関などからは捜査への影響を懸念する声も上がっています。
開発者保護規定「BRCA」の維持を求める書簡を送付
米メディアのThe Blockが報じたところによると、ロン・ワイデン上院議員は上院指導部に対し、現在審議されている包括的な暗号資産市場構造法案(Clarity Act)において、開発者保護を定める第604条を維持するよう求める書簡を送付したとされています。この第604条は「Blockchain Regulatory Certainty Act(BRCA:ブロックチェーン規制確実性法)」として知られており、シンシア・ルミス上院議員が2026年初頭に提出した法案が包括法案に組み込まれたものです。ワイデン議員は書簡の中で、スマートな政策は法執行機関の職務遂行を可能にしつつ、同時にイノベーションを促進するものであると主張しています。
資金を管理しない開発者を規制対象から除外
この規定の主な目的は、ユーザーの暗号資産や資金を直接管理・保有しないノンカストディアル型のソフトウェア開発者やインフラ提供者に対して、セーフハーバー(免責条項)を提供することです。現行の法制度のもとでは、単にコードを書き、ネットワークを維持しているだけの開発者が、銀行や取引所と同様の「資金移動業者(money transmitters)」として分類される法的リスクが懸念されてきました。本規定が維持されれば、資金の管理権限を持たない開発者は、資金移動に関する連邦規制の対象外であることが明確化されるとされています。
イノベーション促進と犯罪捜査への懸念による対立
この開発者保護規定は、暗号資産業界から広く支持されています。業界関係者は、開発者に対する法的確実性が確保されることで、米国内での技術革新が促進され、技術や人材が海外へ流出するのを防ぐことができると指摘しています。一方で、一部の法執行機関グループや宗教指導者からは、この免責規定が人身売買対策などの安全基準を弱め、マネーロンダリングや違法行為に関する捜査を妨げる可能性があるとの警告もなされており、法案を巡る議論の焦点となっています。
ポイント
- ロン・ワイデン上院議員が、包括的暗号資産法案におけるブロックチェーン開発者保護規定の維持を議会指導部に求めました。
- 規定の対象はユーザーの資金を直接管理しないノンカストディアル型の開発者であり、彼らを資金移動業者の規制から除外することを目指しています。
- 業界内では、この規定が法的確実性をもたらし、技術や人材の海外流出を防ぐために極めて重要であると支持されています。
- 一方で、法執行機関などからは犯罪捜査や安全対策を弱体化させる懸念が示されており、議論が続いています。