米国の主要な金融規制機関である証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)において、指導部レベルの人員不足が続いています。ホワイトハウスは、民主党の委員任命を意図的に拒否しているとする議会民主党からの批判に対し、候補者の推薦を受け取っていないと反論しました。暗号資産の市場構造法案の成立に向けた動きが進む中、規制当局の体制不備が法案推進の足かせとなる懸念が生じています。
ホワイトハウスと上院民主党の対立
ホワイトハウスは、トランプ政権が規制機関への委員任命を拒否しているとする民主党からの批判に対し、反論を行いました。ホワイトハウス側が上院多数党院内総務のジョン・スーン氏と少数党院内総務のチャック・シューマー氏に送った書簡によると、SECおよびCFTCの委員候補者について民主党側に推薦を求めたものの、具体的な候補者名の提示を受けていないと主張しています。
これは、民主党の上院議員12名が、ホワイトハウスが独立機関の空席を埋めるための通常のプロセスを拒否し、重要なポストを無期限に空席のままにしようとしていると批判したことに対する返答とされています。
金融規制機関における深刻な人員不足
現在、SECとCFTCの両機関は指導部レベルで人員不足に陥っており、上院で承認された共和党の委員のみが在籍する異例の事態となっています。
SECの現状
SECでは、民主党枠の2議席が空席となっています。現在は3人の共和党委員のみが在籍していますが、そのうちの1人であるヘスター・パース委員は11月までに退任する見込みであると報じられています。
CFTCの現状
CFTCでは、現在、共和党のマイケル・セリグ氏が会長を務めていますが、同氏が唯一の委員となっています。セリグ氏は就任から7ヶ月が経過しており、予測市場企業に対するCFTCの排他的管轄権を主張するなど、積極的な活動を行っていますが、依然として他の委員の補充は行われていません。
暗号資産法案推進への影響
こうした規制当局の指導部不足は、現在議会で審議されている暗号資産の市場構造に関する法案(市場構造法案)の推進を複雑にし、遅らせる要因になっていると指摘されています。業界の健全な発展を促すための法整備が進む一方で、その規制を担うべき当局の体制が整っていないことが、今後の不透明感を強める要因となっています。
ポイント
- ホワイトハウスが民主党の批判に反論:規制機関の委員任命を拒否しているとの民主党からの批判に対し、ホワイトハウスは候補者の推薦をまだ受け取っていないと主張しています。
- 主要規制機関での深刻な人員不足:SECでは民主党枠の2議席が空席で共和党委員のみが在籍し、CFTCでは会長のマイケル・セリグ氏が唯一の委員という異例の体制が続いています。
- 暗号資産法案への影響:規制当局の指導部が不足している現状が、進行中の暗号資産市場構造法案の推進を複雑化させ、遅延させる要因として懸念されています。
- 今後の規制体制への懸念:SECのヘスター・パース委員が11月までに退任する見込みであるなど、体制の不確実性がさらに高まる可能性があります。