ステーブルコインUSDCの発行元であるCircle Internet Group Inc.が、全米デジタル通貨信託銀行の設立について米通貨監督庁(OCC)から最終承認を受けました。この承認により、同社は「First National Digital Currency Bank」の憲章を取得し、デジタル資産のカストディ(保管・管理)サービスを提供することが可能になります。将来的には、ステーブルコインUSDCの準備金管理も連邦政府の直接的な監督下で行うことが計画されています。暗号資産業界が規制された既存の金融システムへと移行する中、今回の連邦銀行ライセンスの取得は、業界における重要なマイルストーンとして注目されています。
承認の背景と取得した信託銀行憲章の概要
Circleが今回取得したのは、米通貨監督庁(OCC:Office of the Comptroller of the Currencyの略称とされています)が発行する連邦信託憲章です。これにより、同社は「First National Digital Currency Bank」を設立する権利を得ました。この銀行は「Circle National Trust」の名称で運営される予定とされています。
この銀行の設立により、Circleは自社のステーブルコイン事業をサポートするとともに、新たに機関投資家向けのカストディサービスへと業務範囲を拡大します。また、これまで複数の管轄に分かれていた監督を、単一の連邦信託憲章のもとで一本化することが可能になります。
なお、この承認発表を受けて、Circleの株価は10%以上上昇したと報じられています。
対象となる業務範囲と今後の計画
新設される信託銀行は、まずデジタル資産のカストディサービスを提供します。
さらに、今後の展開として、ステーブルコイン「USDC」(米ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計された暗号資産とされています)の準備金管理を段階的に移行させることが計画されています。現時点では、USDC準備金の管理は「後のフェーズ(later phase)」で行われる予定となっており、これが実現すれば、USDCの裏付け資産が連邦政府の直接的な監督下で保有されることになります。
暗号資産業界の規制システムへの移行と重要性
今回のCircleによるライセンス取得は、暗号資産企業が連邦銀行ライセンスの取得を目指す動きのなかに位置づけられます。
暗号資産業界が既存の規制された金融システムへと移行するなかで、連邦レベルの銀行ライセンスの獲得は、業界全体の信頼性と透明性を高める重要なステップと見られます。特に、ステーブルコインの準備金が連邦政府の直接的な監督下に置かれることは、ステーブルコインの安定性と機関投資家からの信頼をさらに強化する可能性があります。
ポイント
- ステーブルコインUSDCの発行元であるCircleが、米通貨監督庁(OCC)から「First National Digital Currency Bank」の設立について最終承認を獲得しました。
- 単一の連邦信託憲章のもとで監督を一本化し、新たに機関投資家向けのデジタル資産カストディサービスを提供できるようになります。
- 将来的には、USDCの準備金管理を同銀行に移行させ、連邦政府の直接的な監督下で保有することが計画されています。
- 暗号資産企業が連邦銀行ライセンスを取得する動きは、業界全体が既存の規制された金融システムへと統合していくトレンドを示すものとして注目されます。