トランプ大統領の住宅法案署名拒否、暗号資産規制法「CLARITY法案」の上院審議日程を圧迫か

トランプ大統領が、自身が推進する選挙改革法案の可決を求めて超党派の住宅法案への署名を拒否する姿勢を示しています。この政治的対立により、米国上院の審議日程が大幅に圧迫される事態となっています。その結果、暗号資産業界が早期成立を望む「CLARITY Act(デジタル資産市場明確化法案)」の上院における可決が政治的に困難になる懸念が生じています。

住宅法案を巡る対立とCBDC禁止の影響

トランプ大統領の住宅法案署名拒否、暗号資産規制法「CLARITY法案」の上院審議日程を圧迫か

トランプ大統領は、連邦選挙での投票登録時に米国市民権の証明を義務付ける「SAVE America Act(有権者資格確認法案)」の上院通過を促すため、議会を通過した住宅法案「21st Century ROAD to Housing Act」への署名を拒否すると表明しました。この住宅法案には、連邦準備制度(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を2030年12月31日まで禁止する条項が含まれており、暗号資産業界にとっても注目される内容となっています。大統領が署名を行わなくても、憲法上の10日間の期限(日曜日を除く)が経過すれば自動的に法律として成立する仕組みであるため、住宅法案自体の成立は妨げられないとされています。しかし、この対立が議会全体の審議スケジュールを遅らせる大きな要因となっています。

CLARITY法案の上院審議枠が縮小

今回の政治的対立による大きな影響として、暗号資産の包括的な規制枠組みを定める「CLARITY Act」の審議日程が奪われる点があげられます。CLARITY法案は、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の管轄権を明確に区分し、ビットコインやイーサリアムをデジタルコモディティに分類する極めて重要な法案とされています。同法案は2025年7月に下院を通過し、2026年5月には上院銀行委員会を通過していますが、上院本会議での採決日程はまだ確定していません。

今後のスケジュールと可決に向けた課題

米上院議員は7月4日の祝日休会から7月13日に復帰する予定ですが、8月8日の夏季休会に入るまでの実質的な審議期間はわずか3週間ほどしか残されていません。上院においてCLARITY法案を可決するためには、討論を終結させるための60票の賛成が必要とされています。現在、共和党の議席数は53議席にとどまるため、少なくとも7人の民主党議員の支持を得る必要があります。しかし、暗号資産に直接関わる役職者の倫理規定などを巡る交渉が難航しており、今回の審議日程の逼迫により、休会前の可決はさらに政治的コストが高まる可能性があると見られています。

ポイント

  • トランプ大統領が選挙改革法案の可決を求めて住宅法案の署名を拒否し、政治的対立が激化しています。
  • 署名が拒否された住宅法案には、2030年末までのCBDC(中央銀行デジタル通貨)発行禁止条項が含まれています。
  • この対立により上院の審議日程が圧迫され、暗号資産の基本ルールを定める「CLARITY Act」の審議枠が狭まっています。
  • CLARITY法案はSECとCFTCの管轄を明確にする最重要法案ですが、8月の夏季休会前の可決は極めて不確実な状況と見られます。
  • 可決には民主党議員の協力が必要ですが、倫理規定などを巡る議論が続いており、政治的なハードルが高まっています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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