分散型デリバティブ取引プロトコルであるHyperliquidにおいて、開発者が独自の市場を構築できるフレームワークであるHIP-3の取引量が急増しています。オンチェーンにおける株式取引などの需要拡大を背景に、HIP-3市場がHyperliquid全体の無期限契約(パーペチュアル)取引量に占める割合は、年初の約2%から現在は約50%に達しました。暗号資産市場における伝統的資産のトークン化取引への関心の高まりを示す重要な変化として注目されています。
HIP-3市場のシェアが約50%へ急上昇
HyperliquidにおけるHIP-3市場の取引シェアは、年初時点では全体の約2%に過ぎませんでした。しかし、オンチェーンでの株式取引や実世界資産(RWA)の取引需要が急速に拡大したことで、現在は全体の約50%(約半数)を占める規模へと成長しています。
HIP-3の技術的背景と特徴
HIP-3(Hyperliquid Improvement Proposal 3)は、開発者が許可不要(パーミッションレス)で独自の無期限契約(パーペチュアル)市場をデプロイし、運営できるフレームワークとされています。
この仕組みにより、従来の暗号資産だけでなく、以下のような多様な資産を対象としたパーペチュアル取引が可能になっているとされています:
- 米国株式(NVDA、TSLA、AAPLなど)
- 主要な株価インデックス(S&P 500、NASDAQ-100など)
- コモディティ(原油、ゴールドなど)
- プレIPO資産(SpaceX、OpenAIなど)
取引は完全にオンチェーンで処理され、ユーザーは暗号資産を担保に、これらの伝統的な金融資産の価格変動にレバレッジをかけた取引を行うことができるとされています。
業界への影響とビジネスパーソンにとっての重要性
この変化は、Web3業界や分散型金融(DeFi)のビジネスパーソンにとって、以下の点で重要な意味を持つと見られます。
1つ目は、実世界資産(RWA)のオンチェーン需要の証明です。
暗号資産取引所において、暗号資産以外の伝統的資産(株式やコモディティなど)を対象としたデリバティブ取引の需要が、無視できない規模に成長していることが実証されました。
2つ目は、中央集権型取引所(CEX)や伝統的金融との競争です。
24時間365日取引可能で、KYC(本人確認)をプロトコルレベルで要求しないオンチェーン取引の利便性が、個人投資家を引きつけているとされています。これにより、分散型取引所が伝統的な金融インフラの代替手段として強力な選択肢になりつつあると見られます。
ポイント
- HyperliquidのHIP-3市場が急成長し、全体の無期限契約(パーペチュアル)取引量の約50%を占める規模に達しました。
- 年初時点での取引シェアは約2%であり、短期間で急速にシェアを拡大したことになります。
- HIP-3は、開発者が許可不要で独自の取引市場を構築できるフレームワークとされています。
- 米国株やコモディティ、プレIPO資産といった伝統的金融資産をオンチェーンで取引する需要(RWA需要)の高まりが、この急成長を後押ししているとされています。
- 分散型金融(DeFi)が伝統的金融の領域を侵食し、新たな取引エコシステムを確立しつつある点で注目されます。