Uniswap v4フック利用のPrismでエクスプロイト発生、手数料40%流出を受け新契約で再ローンチへ

Ethereum上のDeFi(分散型金融)プロジェクトであるPrism(PRISM)において、取引手数料の約40%が不正に流出するエクスプロイト(脆弱性を突いた攻撃)が発生しました。これを受けてプロジェクトの匿名運営チームは、脆弱性を修正した新しいスマートコントラクトによる再ローンチを進めています。この攻撃の影響により、元のPRISMトークン価格は24時間で90%以上急落しました。本事案は、Uniswap v4の新しい技術要素であるフック(hook)の安全性を検証する初期のストレステストとして、Web3業界で注目されています。

事件の背景とエクスプロイトの手口

Uniswap v4フック利用のPrismでエクスプロイト発生、手数料40%流出を受け新契約で再ローンチへ

Prismは、Uniswap v4のフック(流動性プールやスワップの動作をカスタマイズできるスマートコントラクトのコード)を活用し、トークンを保有しているだけで手動のステーキングを行わずに取引手数料の分配を受け取れる仕組みを構築していました。

しかし、攻撃者はコントラクト内の検証機能(チェック)が1つ欠落している脆弱性を突き、手数料を請求するアドレスが実際にPRISMトークンを保有しているかをシステムが適切に確認していないことを見抜いたとされています。攻撃者は専用のヘルパーコントラクトを用い、本来の設計上限である5,000個を超える2,500個の「ファントム(幻の)」手数料ポジションを作成しました。これにより、7月の大部分にわたり、全取引手数料の約40%が一般の保有者から密かに流出していたことが明らかになっています。

トークン価格の急落と再ローンチに向けた対策

この脆弱性の開示に伴い、元のPRISMトークンは24時間で約91%急落し、価格は一時約16ドルまで下落、時価総額は約82,000ドルにまで縮小したとされています。なお、運営チームは元本が盗まれたわけではなく、手数料分配層の仕組みが崩壊したものであると説明しています。

現在、オープン市場でトークンを購入し運営責任を引き継いだ匿名のチームが、新たなEthereumスマートコントラクトを配備してプロジェクトの再ローンチを進めています。新しい契約では、以下の3つのセキュリティ対策が導入され、脆弱性が修正されていると報じられています:

1. 手数料ポジションの上限を5,000個に厳格に制限(ハードキャップの適用)

2. すべての手数料ポジションに対し、実際のトークン保有による裏付けを義務付け

3. プールマネージャーやコントラクト自体を含む、未承認アドレスへのルーティングをブロック

業界における重要性と技術的意義

本件は、DeFiの新たなビルディングブロックであるUniswap v4のフックを用いた設計の難しさと重要性を示す事例となりました。トークン保有と流動性提供を一体化させるモデルは革新的である一方、コード内のわずかな不備がエコシステム全体のインセンティブ設計を崩壊させるリスクを浮き彫りにしました。新技術の導入時におけるスマートコントラクトの厳格な監査とアクセス制御の必要性が、改めてWeb3業界のビジネスパーソンにとって重要な教訓となっています。

ポイント

  • Uniswap v4のフック機能を利用したトークン「Prism」で、手数料分配システムを狙ったエクスプロイトが発生しました。
  • 攻撃者は検証不足の隙を突き、2,500個のファントム手数料ポジションを作成して取引手数料の約40%を不正に流出させました。
  • この影響で元のPRISMトークン価格は24時間で約91%急落し、プロジェクトは旧契約を放棄しました。
  • 匿名運営チームは、ポジション上限の厳格化やトークン保有の義務付けなど、3つの脆弱性対策を施した新契約で再ローンチを進めています。
  • 本事案は、Uniswap v4フックという新たなDeFiプリミティブ(基本要素)におけるスマートコントラクト監査とセキュリティ設計の重要性を示す実例として注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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