SBIグローバルアセットマネジメント株式会社、シンガポールのDigiFT Tech Pte. Ltd.(デジエフティー)、およびStartale Group Pte. Ltd.(スターテイル)の3社は、円建てステーブルコインであるJPYSCの仕様を想定した検証用トークンを用い、トークン化した日本株ファンドの決済・分配に関するテストネットPoC(技術検証)を開始したと発表しました。この検証はイーサリアムのテストネット上で行われ、ファンド申込時のオンチェーン決済と保有者への分配金支払いという2つのプロセスを検証します。実現すれば、数日かかる証券取引の受渡しを秒単位に短縮し、分配金の自動かつ即時支払いを可能にするなど、デジタル金融における効率化が期待されます。
JPYSC想定トークンによる証券決済と分配の自動化検証
本技術検証では、SBIグループが発行する信託型円建てステーブルコインであるJPYSCの仕様を想定した検証用トークンが使用されます。JPYSCは2026年6月にSBIグループが発行した国内初の信託型円建てステーブルコインであり、100万円の上限がない大口送金に対応しています。
イーサリアムのテストネット環境において、以下の2つのプロセスについて検証が行われます。
- ファンドの申込時におけるオンチェーン決済
- ファンド保有者への分配金支払い
これにより、従来は複数営業日を要していた証券取引の受渡しプロセスを秒単位で処理できる可能性や、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動実行する仕組み)を活用して分配金をプログラマブルに即時支払う仕組みの有効性を確認します。
3社の役割分担と専門知見の統合
今回のPoCは、資産運用、RWA(現実世界資産)のオンチェーン化、ブロックチェーンインフラという各分野の専門的な知見を持つ3社が共同で実施します。各社の役割は以下の通りです。
- SBIグローバルアセットマネジメント:日本株ファンドや資産運用に関する知見を提供
- DigiFT:シンガポールの規制枠組みに基づくトークン化証券プラットフォームの運営や、RWA商品のオンチェーン化に関する知見を提供
- スターテイル:ブロックチェーンインフラや、円建てステーブルコインに関する技術知見を提供
なお、今回のPoCはあくまで技術検証を目的としており、現時点で実際の新サービスの提供開始や、メインネット上のJPYSCを用いた決済・分配、実際の投資商品の募集・販売、日本居住者に海外口座開設や海外投資を促す取り組みなどを意味するものではありません。
ポイント
- SBIグループ、DigiFT、スターテイルの3社が、日本株ファンドをトークン化し、円建てステーブルコインのJPYSCを想定したトークンで決済・分配を行う技術検証(PoC)を開始しました。
- イーサリアムのテストネット上で検証が行われ、複数営業日を要する証券取引の受渡しを秒単位に短縮できる可能性が示されています。
- 保有者への分配金をプログラマブルに即時支払う仕組みを検証することで、証券運用の大幅な効率化が期待されます。
- 資産運用、RWAプラットフォーム、ブロックチェーン技術という各社の強みを融合した取り組みとなっています。
- 本取り組みは技術検証を目的としたものであり、現時点で実際のサービス提供や投資商品の募集を伴うものではありません。