イングランド銀行は、HSBCのデジタル資産プラットフォームであるHSBC Orionが、英国のデジタル証券サンドボックス(DSS)内でライブ稼働することを承認したと報じられています。これにより、同プラットフォームはデジタル証券保管機関(DSD)として機能し、デジタルネイティブな債券の発行や決済を行うことが可能になります。2027年第1四半期には、初となるデジタル英国債(DIGIT)の取引が予定されており、デジタル資産の主流化に向けた重要な一歩になると見られています。
デジタル証券サンドボックスにおける初の承認事例
イングランド銀行と金融行動監視庁(FCA)が共同で運営するデジタル証券サンドボックス(DSS)は、分散型台帳技術(DLT)などの先端技術を用いた証券の発行、取引、決済をテストするための柔軟な規制環境とされています。HSBCはこのサンドボックスにおいて、実際にライブ稼働を行うための承認(Gate 2承認)を得た最初の企業となったことが公表されています。これにより、HSBC Orionは実験段階を超え、実際の規制環境下でデジタル証券の保管および決済サービスを提供することが可能になります。
デジタル証券保管機関としての役割と実績
承認を受けたHSBC Orionは、DSS内でデジタルネイティブな社債や政府債券の「デジタル証券保管機関(DSD)」として機能するとされています。HSBC Orionは2023年2月にローンチされて以降、すでにグローバルで50億ドル以上のデジタル債券発行の実績を有しているとされています。今回の承認は、この実績あるインフラが英国国内の規制市場に本格的に導入されることを意味していると見られます。
デジタル英国債のパイロット発行と今後の展開
今回の承認に伴い、デジタル英国債(DIGIT)のパイロット取引が2027年第1四半期までに行われる予定です。HSBCはすでにDIGITのプラットフォーム提供者として選定されていると報じられています。さらに、HSBCはロンドン証券取引所グループ(LSEG)との間で、双方のDSDを相互接続するための覚書(MoU)を締結したとされています。この接続により、投資家は異なるインフラからでもDIGITにアクセス・保有できるようになり、プラットフォームの断片化を防ぎ、より広範な市場参加を促すことが期待されています。
ポイント
- イングランド銀行がHSBC Orionのデジタル証券サンドボックス(DSS)でのライブ稼働を承認し、同サンドボックスにおける初の承認企業となりました。
- HSBC Orionはデジタル証券保管機関(DSD)として機能し、デジタルネイティブな社債や政府債券の発行、管理、決済をサポートするとされています。
- 2027年第1四半期までに、初となるデジタル英国債(DIGIT)のパイロット発行および取引が予定されています。
- HSBCはロンドン証券取引所グループ(LSEG)との連携を通じて相互運用性を確保し、投資家が異なるデジタルインフラからDIGITにアクセスできる環境を構築する方針とされています。
- すでにグローバルで50億ドル以上のデジタル債券発行実績を持つHSBC Orionの参入は、デジタル資産の市場普及を加速させる点で注目されます。