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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

TISIと日本カードネットワークがステーブルコイン店頭決済の実証成果を発表。137件全件の処理完了と2027年度中の事業化を目指す方針

TISインテックグループのTISIと決済システムの開発・提供を手がける日本カードネットワークは、ステーブルコインを用いた店頭決済の実証実験において、決済から加盟店精算、経理業務までの一連の運用性を確認したと発表しました。日本円建ておよび米ドル建てのステーブルコインを用いた計137件の決済がすべて正常に完了し、事業化を阻害する重大な課題は確認されなかったとしています。取引ごとのガス代(ブロックチェーン上の取引手数料)の中央値が0.1円未満に抑えられたことも確認されており、店頭決済の実用性と費用面での事業性を検証した重要な取り組みといえます。

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監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

店頭決済から経理業務までの一連のフローを検証

今回の実証実験は、9月1日から8日までの6営業日にわたり、日本カードネットワークが入居する高田馬場のオフィスビル内社員食堂で実施されました。対象は日本カードネットワークおよび協力会社の社員など同ビルに入館できる関係者で、利用者、加盟店、収納代行事業者による実運用を想定した環境が整えられました。役割分担として、TISIがシステムおよび技術面を担当し、日本カードネットワークが業務面を担っています。

実験では、日本円建てと米ドル建てのステーブルコインによる決済が行われ、計137件の決済がすべて正常に処理されました。店頭での決済処理にとどまらず、売上確認、加盟店精算、取引突合、資金管理といった店舗運営に必要な一連の経理・バックオフィス業務の流れも網羅的に検証されました。その結果、本実証の範囲内では事業化を阻害する重大な課題は確認されず、店頭決済の実現性が業務面と技術面の両面から確認されたとしています。

専用決済端末の単独運用と手数料コストの検証

実証における端末構成としては、POSシステムと連動させない専用決済端末を採用し、有人レジで単独操作する方式がとられました。利用者は一般的な個人向けウォレットを使用し、店舗側となる日本カードネットワークはクラウド経由で利用できる企業向けウォレット機能(ビジネスウォレットSaaS)を用いて取引を行いました。

さらに、ブロックチェーン上の取引に伴い発生するガス代についても検証が行われました。その結果、1取引当たりの中央値が0.1円未満となったことが報告されています。決済インフラとして広く普及させる上で手数料コストの抑制は不可欠であり、今回のデータ取得により費用面における事業性の検討が進むとみられます。

2027年度のサービス事業化と国内での店頭決済の広がり

両社は今後、ステーブルコイン決済の導入や検証を検討している企業・団体に対して、実証実験の企画・運営支援や決済システムの提供を共同で進める予定です。TISIにおいては、利用者や加盟店向けのUI/UXの改善、運用面の高度化を進め、2027年度中に「ステーブルコイン決済支援サービス」の事業化を目指す方針を掲げています。

国内の小売店舗におけるステーブルコイン決済の検証はほかにも進められています。8月6日にはハッシュポート、KDDI、ローソンが高輪ゲートウェイシティ店で日本円建てステーブルコイン「JPYC」を用いた実証を実施しました。また8月17日にはネットスターズがゲートシティ大崎アトリウム店で米ドル建てステーブルコイン「USDC」「USDT」および「JPYC」を用いた店頭決済の実証を行っています。決済実務や経理処理を含めた商用化への検証が進むことで、実店舗におけるステーブルコイン決済の実装が現実味を帯びてきています。

ポイント

  • 日本円建ておよび米ドル建てステーブルコインを用いた店頭決済137件がすべて正常に処理され、決済から加盟店精算、取引突合、資金管理までの一連の運用性が実証された点で注目されます。
  • ブロックチェーンの取引手数料であるガス代の中央値が1取引当たり0.1円未満にとどまり、費用面での事業性を評価する基礎データが得られたことが示されています。
  • 一般的な個人向けウォレットと企業向けのビジネスウォレットSaaSを組み合わせ、POS非連動の専用端末による実運用フローの妥当性が確認された点が重要です。
  • TISIが2027年度中の「ステーブルコイン決済支援サービス」事業化を目指すなど、商用展開に向けた具体的な目標時期が示された点で今後の動向が注目されます。

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