米大手資産運用会社のフランクリン・テンプルトンは2026年6月22日、暗号資産のアクティブ投資運用会社である250 Digitalの買収を完了したことを発表しました。これに伴い、アクティブなデジタル資産運用に特化した専門部門であるFranklin Cryptoを正式に立ち上げました。この動きは、大口の機関投資家から高まるデジタル資産への需要に応えるため、従来のインフラと暗号資産ネイティブのアクティブ運用戦略を統合することを目的としています。
買収の完了と新部門 Franklin Crypto の立ち上げ
フランクリン・テンプルトンは2026年6月22日、暗号資産のアクティブ投資運用会社である250 Digitalの買収手続きを完了しました。250 DigitalはWeb3投資企業であるCoinFund(コインファンド)のスピンオフ企業であり、今回の買収によって同社の投資チーム全員と、これまで運用されていたすべての流動性暗号資産(リキッド・クリプト)戦略がフランクリン・テンプルトンへと移管されます。また、フランクリン・テンプルトン自身も合意の一環として、これらの戦略に対して直接投資を行うとされています。
この買収手続きの完了に伴い、フランクリン・テンプルトンはアクティブなデジタル資産運用に特化した新部門であるFranklin Cryptoを正式に設立しました。新部門は、移管された250 Digitalの投資能力と、フランクリン・テンプルトンが持つ世界的な販売ネットワークを融合させることで、機関投資家向けに最適化されたサービスを提供します。
また、今回の取引における特徴的な要素として、買収代金の一部がフランクリン・テンプルトンのオンチェーン政府系マネー・マーケット・ファンド(MMF)のシェアを表すBENJI(ベンジー)トークンで支払われるという、実験的なオンチェーン決済メカニズムが採用されていると報じられています。
機関投資家を対象としたアクティブ運用戦略の提供
新たに設立されたFranklin Cryptoは、主に年金基金や政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)などの大口機関投資家を対象としています。
これまで機関投資家がデジタル資産市場に参入する手段としては、現物ETF(上場投資信託)のようなパッシブな投資商品(特定の指数に連動する投資信託)が主流でした。しかし、Franklin Cryptoは、パッシブ商品ではアクセスが難しい、専門家が市場を分析して主体的に運用する「アクティブ運用戦略」を提供することを目指しています。
1.78兆ドルの資産を運用するフランクリン・テンプルトンの強固な機関投資家向けインフラやリスク管理体制と、暗号資産ネイティブなアクティブ戦略が統合されることで、機関投資家によるデジタル資産への投資手法がより多様化し、市場への参入がさらに促進される可能性があります。
専門性の高いリーダーシップ体制
Franklin Cryptoのリーダーシップには、暗号資産業界の専門家と、フランクリン・テンプルトンの既存のデジタル資産部門のベテランが就任します。
新部門のヘッドには、250 Digitalを率いていたクリストファー・パーキンス(Christopher Perkins)氏が就任し、最高投資責任者(CIO)には同じく250 Digitalのセス・ギンズ(Seth Ginns)氏が就任します。両氏は、フランクリン・テンプルトンのデジタル資産部門で長年投資に携わってきたトニー・ペコーレ(Tony Pecore)氏とともに部門を主導します。
なお、同部門はフランクリン・テンプルトンのイノベーション部門責任者であるサンディ・コール(Sandy Kaul)氏の直属として運営される体制となっています。
ポイント
- 2026年6月22日、1.78兆ドルの資産を運用するフランクリン・テンプルトンが250 Digitalの買収を完了しました。
- 買収に伴い、アクティブなデジタル資産運用に特化した専門部門であるFranklin Cryptoが正式に立ち上げられました。
- 買収代金の一部に同社のオンチェーンMMFトークンであるBENJIが使用されるなど、実験的な決済手法が取り入れられている点で注目されます。
- 年金基金や政府系ファンドなどの大口機関投資家をターゲットとし、従来のパッシブETFではアクセスできないアクティブな暗号資産運用戦略を提供します。
- 業界のベテランであるクリストファー・パーキンス氏やセス・ギンズ氏らが率いる体制となり、グローバルな販売網と暗号資産ネイティブな知見の統合が進められることで、機関投資家向け市場の活性化が期待されます。