米国の予測市場プラットフォームであるKalshi(カルシ)が、評価額約400億ドルでの新たな資金調達に向けて交渉を進めていることが明らかになりました。フィナンシャル・タイムズ紙などの報道によると、この調達ラウンドは2026年第3四半期にも完了する可能性があるとされています。先月に完了したばかりのシリーズFラウンドから評価額がほぼ倍増する見通しであり、予測市場がウォール街などの機関投資家から急速に資本を引きつけている現状を示しています。
短期間で評価額が急騰、大手金融機関や著名VCが参画
報道によると、今回の資金調達交渉は、先月に完了した10億ドル規模のシリーズFラウンドに続くものです。前回のシリーズFラウンドでは同社の評価額は220億ドルとされており、今回の調達が合意に至れば、極めて短い期間で企業価値がほぼ倍増することになります。
Kalshiの評価額は、2025年後半には50億ドル、同年12月時点には110億ドルであったとされており、急速な右肩上がりの成長を遂げています。これまでの調達ラウンドには、投資会社のCoatueが主導したほか、Sequoia Capital、Andreessen Horowitz(a16z)、Morgan Stanley、ARK Investなどの著名なベンチャーキャピタルや大手金融機関が参加したと報じられています。
規制準拠の強み、競合Polymarketとの評価額の差が拡大
予測市場の分野では、ブロックチェーン技術を基盤とし暗号資産で決済を行うPolymarket(ポリマーケット)が強力な競合として存在しています。しかし、Polymarketが模索しているとされる資金調達の目標評価額は約150億ドルと報じられており、Kalshiとの評価額の差は大きく開く見通しです。
この差を生んでいる要因として、Kalshiが米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にある「連邦規制取引所」としての地位を確立している点が挙げられます。この規制準拠のステータスにより、大手金融機関や機関投資家が、投機的なプラットフォームではなく合法的な金融インフラとしてKalshiを評価し、巨額の資本を投じる動きにつながっていると見られます。
同社の取引高も急増しており、前年同期の50億ドル未満から、先月には170億ドル以上の取引高を記録したとされています。
連邦規制と州法規制の対立、今後の法廷闘争の行方
急速な成長を遂げる一方で、Kalshiは州レベルの規制をめぐる法的な課題にも直面しています。同社は、スポーツ関連の予測契約に対して独自のライセンス取得や課税を課そうとするイリノイ州の法案(SB 3019)を不服とし、連邦裁判所に提訴しました。
Kalshi側は、連邦指定市場におけるイベント契約の管轄権はCFTCが独占的に保有していると主張しており、州政府による独自の規制は連邦法に違反すると訴えています。この連邦規制と州規制の対立の行方は、予測市場が今後さらに一般的な金融ツールとして普及していく上での重要な分岐点になると見られます。
なお、Kalshiの最高経営責任者(CEO)であるTarek Mansour氏は、将来的な新規公開株(IPO)の可能性について言及しているものの、実施は2027年以降になるとの見通しを示していると報じられています。
ポイント
- 米予測市場プラットフォームのKalshiが、評価額約400億ドルでの新たな資金調達を交渉中であると報じられました。
- 先月に220億ドルの評価額で10億ドルを調達したばかりであり、短期間での急激な評価額の上昇は予測市場への機関投資家の強い関心を示しています。
- CFTC(米商品先物取引委員会)の認可を受けた連邦規制取引所である点が、競合のPolymarketに対する大きな優位性となり、ウォール街の資金を引きつけています。
- 取引高は先月時点で170億ドル以上に達しており、スポーツなどのイベント契約が成長の大きな原動力となっています。
- 一方で、イリノイ州などの州レベルでの規制強化の動きに対して連邦裁判所で訴訟を提起しており、法的枠組みをめぐる今後の展開が注目されます。