KDDIとデジタル証券の発行・管理プラットフォームを提供するSecuritize Japanは、ブロックチェーン技術を活用した次世代金融サービスの検討開始に向け、基本合意書を締結したと発表しました。両社は、KDDIの顧客基盤とSecuritizeのRWA(現物資産)トークン化技術を組み合わせることで、共同事業の創出を目指します。この取り組みは、資産の小口化による投資機会の拡大や、取引の効率化、流動性の向上を目的としています。
共同検討の背景と具体的な内容
KDDIとSecuritize Japan(セキュリタイズ ジャパン)は2026年6月25日、ブロックチェーン技術を活用した次世代金融サービスの共同検討に関する基本合意を締結したことを発表しました。
両社は、KDDIが持つ顧客基盤や顧客接点と、セキュリタイズが保有するRWA(現物資産)のトークン化技術を融合させ、新たな金融サービスや投資機会の提供を目指します。
RWAのトークン化(現実世界の資産をブロックチェーン上のデジタル資産に変換する技術)を推進することにより、資産の小口化を通じた投資機会の拡大、取引や決済の効率化、そして資産の流動性向上が期待されています。
KDDIは3000万人を超える顧客基盤を抱え、通信サービスに加えて「auじぶん銀行」や「au PAY」などの金融サービスを提供しているとされています。この広範な顧客接点にセキュリタイズの技術を掛け合わせることで、一般の利用者がアクセスしやすい次世代の金融インフラを構築していく方針と見られます。
KDDIのデジタル資産領域における取り組み
KDDIは近年、暗号資産やデジタル資産を含む金融サービス領域での連携を急速に拡大しています。
2026年5月には、Coincheck Group N.V.との資本提携、およびコインチェックとの業務提携を発表しました。これに伴い、KDDI、auフィナンシャルホールディングス、コインチェックの3社で合弁会社「au Coincheck Digital Assets」を設立し、次世代金融サービスの推進体制を強化しています。
また、KDDIは2019年9月に「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、Securitize Japanの親会社であるSecuritize, Inc.への出資を行っており、今回の基本合意はこれまでの協力関係をさらに発展させるものと位置づけられます。
Securitizeの技術力と実績
Securitize Japanは、日本国内においてデジタル証券(セキュリティトークン)の発行および管理を行うプラットフォームを提供しています。
同社はこれまでに、社債や不動産特定共同事業法に基づくデジタル証券、信託製品など、多様な資産クラスのトークン化に対応した実績を有しているとされています。
また、親会社である米国のSecuritize, Inc.は、2026年4月時点で40億ドルを超える運用資産残高(AUM)を持つなど、RWAトークン化の世界的リーダーとして知られています。今回の提携により、同社が持つ世界水準の技術や知見が、KDDIの次世代金融サービス開発に活用されると見られます。
ポイント
・KDDIとSecuritize Japanが基本合意を締結し、RWAトークン化を用いた次世代金融サービスの共同検討を開始しました。
・KDDIの強固な顧客基盤とSecuritizeのトークン化技術を組み合わせることで、資産の小口化や流動性の向上といった新たな投資機会の創出が期待されます。
・KDDIはコインチェックとの合弁会社設立に続き、デジタル資産領域での取り組みをさらに強化している点で注目されます。
・2019年におけるKDDIからSecuritizeへの出資実績を背景に、両社の長期的な関係がより具体的な事業検討へと進展した事例として重要です。