ソーシャルメディアプラットフォーム「X」は、米国のプレミアム会員向けに決済サービス「X Money」のP2P決済機能の提供を開始しました。サービス開始に伴い、あるユーザーがX Moneyを通じて25ドルをイーロン・マスク氏に直接送金し、マスク氏が取引を確認したことで大きな注目を集めています。今回のリリースは、マスク氏が掲げる「エブリシング・アプリ」構想における重要な一歩となります。現在は法定通貨をベースに展開されていますが、将来的な暗号資産との統合の可能性について、市場では様々な推測がなされています。
米国プレミアム会員向けにP2P決済が稼働、マスク氏への送金も確認
2026年6月26日、ソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」において、デジタル決済サービス「X Money(エックス・マネー)」のP2P(ピア・ツー・ピア:個人間)決済機能が、米国のプレミアムサブスクリプション(有料会員)向けに提供開始されました。
サービスの開始直後、あるプレミアムユーザーがX Moneyを利用して、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏に25ドルを直接送金しました。マスク氏はこの取引が正常に完了したことをXプラットフォーム上で自ら確認し、サービスの稼働をアピールしました。
このサービスは、米国のXプレミアム会員を対象に展開されており、ユーザー同士が外部の銀行アプリを経由することなく、プラットフォーム内で直接資金を送受信できるようにするものです。今回は、限られたユーザー向けに段階的に展開されているとされています。
X Moneyの技術的背景と機能の全容
X Moneyは、Xを決済や金融サービス、コミュニケーションなどを統合した「エブリシング・アプリ(Everything App)」へと進化させるための基盤とされています。
報道によると、今回のP2P決済機能は、大手決済ネットワークであるVisa(ビザ)の「Visa Direct」をインフラに採用しており、即時送金を実現しているとされています。また、銀行パートナーとして、米国のCross River Bank(クロス・リバー・バンク)が預金の保有やデビットカードの発行などの銀行インフラを提供していると報じられています。
現時点で提供または計画されている主な機能は以下の通りとされています。
- 個人間(P2P)での即時送金
- プラットフォーム内での資金の保管(デジタルウォレット)
- 最大6%の年間利回り(APY)を提供するFDIC(連邦預金保険公社)保証付きの預金口座
- Visaデビットカードの発行
ブロックチェーン業界への影響と将来的な憶測
現段階において、X Moneyは米ドルなどの法定通貨(フィアット)ベースの決済に特化しており、ブロックチェーン技術や暗号資産(仮想通貨)の直接的な統合は公式には発表されていません。
しかし、Web3業界や暗号資産コミュニティからは、将来的な暗号資産決済の導入に強い関心と推測が寄せられています。その背景として、X Moneyの銀行インフラを担うCross River Bankが、リップル(Ripple)社のパートナーであり、XRP Ledgerを活用した送金技術を保有していることが指摘されています。
さらに、イーロン・マスク氏のドージコイン(DOGE)などへの親和性や、過去の「すべての金融世界を統合する」という発言から、今回の法定通貨決済の稼働は、将来的に暗号資産やオンチェーン金融エコシステムを統合するための第一段階であるとの見方もあります。
ポイント
- Xは、米国のプレミアム会員向けにデジタル決済サービス「X Money」のP2P決済機能の提供を開始しました。
- サービス開始に伴い、ユーザーからイーロン・マスク氏へ直接25ドルが送金され、その即時完了が確認されました。
- X MoneyはVisa DirectおよびCross River Bankをインフラに採用し、リアルタイム送金や高利回り普通預金を提供するとされています。
- 現時点では法定通貨ベースのサービスですが、インフラ企業の背景などから将来的な暗号資産統合への期待が寄せられています。