bitFlyer子会社がEUの「MiCA」認可を取得、日本勢初──欧州27カ国でのサービス継続を確保

bitFlyer Holdingsは、ルクセンブルク子会社であるbitFlyer EUROPE S.A.が、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制「MiCA」に基づく暗号資産サービス提供者(CASP)の認可を取得したと発表しました。日本発の暗号資産取引所グループがMiCA下のCASP認可を得るのは、同社が初めてとなります。既存事業者向けの移行期間が終了し、未認可企業のEU域内での事業継続が困難になる中、同社は欧州市場における適法な事業基盤の確保に成功しました。この出来事は、厳格な規制下における信頼性の証明として、Web3業界における日本の事業者の存在感を高めるものと見られます。

移行期間終了の節目に「MiCA」認可を取得

bitFlyer子会社がEUの「MiCA」認可を取得、日本勢初──欧州27カ国でのサービス継続を確保

bitFlyer EUROPE S.A.(以下、bitFlyer Europe)は、ルクセンブルクの金融監督当局であるCSSFの監督下で運営されており、従来の仮想資産サービス提供者(VASP)の枠組みから、MiCA下のCASP(暗号資産サービス提供者)へと移行します。

EUが定める暗号資産市場規制「MiCA」は、暗号資産の発行、取引、保管などを包括的に規制する共通の枠組みです。2024年12月30日に完全適用が開始されましたが、既存の事業者には移行期間が設けられていました。欧州証券市場監督局(ESMA)などの発表によると、この移行期間は2026年7月1日をもって終了したとされており、認可を受けていない事業者はEU域内での事業継続が困難になります。この移行期限の直前となるタイミングで認可を取得したことは、bitFlyer Europeが欧州全域でのサービス提供を適法に継続するための極めて重要な節目となりました。

EU27カ国全域へのパスポート効果とグローバル展開

MiCAの認可制度は、EU加盟国のいずれかでCASPとして認可を受ければ、EU加盟27カ国すべてにおいて「パスポート(共通ライセンス)」としてサービスを提供可能になる仕組みです。

bitFlyer Europeは、この認可によりEU全域の機関投資家および個人投資家に対し、暗号資産の売買や保管サービスを引き続き提供することができます。

親会社であるbitFlyer Holdingsは、日本、米国、欧州という主要な規制市場のすべてで、各地域の法令に基づく認可・登録を受けた事業基盤をさらに強化したと説明しています。代表取締役CEOの加納裕三氏は、世界的に見ても厳格な規制であるMiCAの認可取得について、日本で培った規制遵守とセキュリティへの取り組みが欧州の規制当局にも認められた証左であるとコメントしています。

業界への影響と競合他社の動向

移行期間の終了を前に、EU市場における暗号資産サービス事業者の動きは二極化しています。

世界最大級の取引所であるBinance(バイナンス)は、ギリシャでのMiCAライセンス申請を取り下げ、別のEU加盟国での認可取得を目指す方針を示すなど、対応を迫られています。未認可の事業者がEU域内での事業継続において厳しい状況に直面する中、日本発の取引所がいち早く認可を取得し、EUの統一ルール下で適法な事業基盤を確保した事実は、他のWeb3事業者にとっても規制準拠の重要性を示す事例になると見られます。

ポイント

  • bitFlyerのルクセンブルク子会社が、EUの暗号資産市場規制「MiCA」に基づくCASP認可を日本勢として初めて取得しました。
  • 移行期間が終了した2026年7月1日以降も、EU加盟27カ国全域で機関投資家および個人投資家向けにサービス提供を継続できる体制が整いました。
  • 日本、米国、欧州という主要な規制市場のすべてで現地の規制に準拠した事業基盤を確立したことになり、同社のグローバルな信頼性が高まると見られます。
  • 他の大手取引所がライセンス申請の取り下げを行うなど対応に苦慮する中、いち早く認可を得たことは、同社の厳格な規制への対応力を示す点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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