現実世界資産(RWA)のトークン化を手がけるOndo Financeは、無期限先物(パーペチュアル)取引プラットフォーム「Ondo Perps」をローンチしました。同プラットフォームでは、トークン化された株式を取引の担保(証拠金)として直接使用できる仕組みが導入されており、これはパーペチュアル市場において初の試みとされています。ユーザーは保有するトークン化株式を売却することなく、最大20倍のレバレッジをかけたデリバティブ取引を行うことが可能になります。オンチェーンでの資本効率を大幅に向上させる取り組みとして、Web3業界における新たな金融ユースケースとして注目されています。
トークン化株式を売却せず担保に:高い資本効率を実現する設計
Ondo Financeが新たにローンチしたOndo Perpsは、米国以外の適格投資家やプレアルファユーザーを対象とした無期限先物取引プラットフォームです。
最大の特徴は、ユーザーが保有するトークン化された株式を、取引の証拠金として直接利用できる点にあります。従来のRWAデリバティブプラットフォームでは、保有する資産を一度ステーブルコインなどに変換して証拠金にする必要がありましたが、Ondo Perpsではその必要がありません。
例えば、トークン化されたテスラ株を保有しているユーザーは、それを売却することなく担保として預け入れ、エヌビディア株などのレバレッジポジションを新たに建てることができます。また、担保として預けられている間も、そのトークン化株式は配当を含む元株式のトータルリターンを追跡し続けるため、資産の保有効果を維持したまま効率的な運用が可能になるとされています。この設計は、伝統的な金融機関が提供するプライムブローカレッジ(機関投資家向けの総合的な決済や融資などのサービス)のモデルをオンチェーンで再現する試みと見られています。
幅広い取引銘柄と最大20倍のレバレッジ、24時間365日の取引環境
Ondo Perpsは、株式、コモディティ、株価指数を含む約24の市場で取引を開始しています。
具体的な取引対象には、アップル、エヌビディア、テスラ、マイクロソフトといった主要なテクノロジー企業のほか、コインベースやロビンハッドなどの暗号資産関連企業、さらには未公開企業であるスペースXのトークン化株式も含まれています。また、金や銀、原油といったコモディティや、US 100(ナスダック)、US 500(S&P 500)といった主要な株価指数も対象となっています。
取引は期限がなく、24時間365日いつでも行うことが可能です。最大20倍のレバレッジ取引が提供され、プラットフォームの流動性と実行速度は中央集権型取引所に匹敵する水準を目指しているとされています。
RWAのユーティリティ向上とDeFi市場への影響
Ondo Financeは昨年、100以上の米国株式やETFに24時間365日アクセスできるトークン化プラットフォームをローンチし、RWA分野を牽引してきました。今回のOndo Perpsのローンチは、単に資産をトークン化するだけでなく、それをDeFi(分散型金融)のエコシステム内で実用的な金融商品として活用できるようにする重要なステップと位置づけられています。
トークン化された現実世界資産が担保として機能することで、オンチェーンデリバティブ市場における資本効率はさらに向上するとされています。今後は、既存の分散型パーペチュアル取引所であるHyperliquidやApeX Protocol、また中央集権型取引所であるCoinbaseなどとの競争が展開されると見られます。
ポイント
- Ondo Financeがトークン化株式を直接担保として使用できる無期限先物取引プラットフォーム「Ondo Perps」をローンチしました。
- 保有するトークン化株式を売却せずに担保にできるため、配当などのリターンを受け取りながら最大20倍のレバレッジ取引を行うことが可能です。
- 対象資産には、主要な米国株式やコモディティ(金、銀、原油)、株価指数など約24の市場が含まれ、24時間365日取引が提供されます。
- 米国以外の適格投資家およびプレアルファユーザー向けに提供され、最大300万ドル規模のトレーダー報酬プールなどのインセンティブも用意されています。
- RWA(現実世界資産)の利便性を高め、オンチェーンでのプライムブローカレッジ実現に向けた重要な一歩として注目されます。