暗号資産取引所Krakenの親会社であるPaywardは、元監査法人であるMazars USAを相手取った仲裁手続きにおいて、2200万ドルの賠償裁定を獲得しました。Paywardは、デラウェア州衡平法裁判所に対してこの裁定に基づく最終判決を下すよう求めていると報じられています。この紛争は、Mazarsがほぼ完了していたKrakenの2022年度の会計監査から突如撤退したことによる損害をめぐるもので、暗号資産業界に対する米規制当局の非公式な圧力との関連が指摘されています。
突然の監査放棄がもたらしたライセンス危機と損害
報道によると、Mazars USAは、Krakenの2022年度財務諸表の監査が完了する数日前の2023年末に、監査業務から突如撤退しました。当時、Krakenは米国証券取引委員会(SEC)などの調査対象となっており、Mazars自身もSECなどからKrakenに関する書類の提出命令を受けていたとされています。
Mazarsは撤退の理由として、法的な不確実性とリスクを挙げましたが、Krakenにおける不正行為の発見や、経営陣に対する懸念、会計上の意見の不一致などは一切報告していなかったとされています。
この突然の監査放棄により、Krakenは州の送金業者ライセンスの取得や更新に必要な監査済み財務諸表を提出できなくなり、ライセンス危機に直面しました。さらに、銀行関係の維持や取引先との契約にも悪影響が及び、最終的に同社は投資プラットフォームであるTradeStation Cryptoの買収を余儀なくされるなど、多額の財務的・運営的損害を被ることとなりました。仲裁人はこれらの主張を認め、買収やライセンス問題に関連する損害として2200万ドルの賠償を決定したとされています。
オペレーション・チョーク・ポイント2.0への批判
Krakenの共同CEOであるArjun Sethi氏は、この問題について、米政府機関が金融機関や監査法人に対して非公式に圧力をかけ、暗号資産企業との取引を断たせようとする「オペレーション・チョーク・ポイント2.0」の一環であると強く批判しています。
Sethi氏は、監査はサービスではなく、銀行関係の維持やライセンス取得、規制対応に不可欠な「酸素」のようなものであると述べています。また、不正の証拠がないにもかかわらず、政治的な圧力や規制への懸念から監査法人が突然業務を放棄することは、法を遵守して活動する暗号資産企業に不当な損害を与える行為であると主張しています。
ポイント
- 暗号資産取引所Krakenの親会社Paywardが、元監査法人Mazars USAを相手取った仲裁で2200万ドルの損害賠償裁定を獲得したとされています。
- 紛争の原因は、Mazarsが2023年末、ほぼ完了していたKrakenの2022年度監査から突如撤退したことにあります。
- 監査の撤退により、Krakenは州の送金ライセンス取得に支障をきたすなどのライセンス危機に陥り、TradeStation Cryptoの買収を余儀なくされるなど多額の損害を被ったと報じられています。
- Kraken側は、この撤退を米規制当局が暗号資産業界を排除しようとした非公式の圧力キャンペーンであるオペレーション・チョーク・ポイント2.0によるものとして批判しています。
- Mazarsは撤退時、Krakenの不正行為や経営陣への懸念、意見の不一致などは一切報告していなかったとされています。