米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利の据え置き決定後、暗号資産XRPの価格が上昇し、時価総額上位10銘柄の中で最高の上昇率を記録しました。同じタイミングで、XRP Ledger(XRPL)ではネットワークの精度やセキュリティを強化する最新の修正アメンドメントが有効化されています。デリバティブ市場での資金調達率の上昇に加え、自律型AIによるマイクロペイメント利用や米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」の時価総額増加など、ネットワーク全体で実用化に向けた動きが加速しています。
XRPLの基盤を強化する修正アメンドメントの有効化
XRP Ledgerにおいて、ネットワークの信頼性向上を主目的としたアメンドメント「fixCleanup3_2_0」が有効化されました。この変更は全35のバリデーター(ネットワークの承認者)のうち30(約85.71%)による支持を獲得しており、メインネットとの互換性を保つための最低ソフトウェアバージョンが「XRPL 3.2.0」へ更新されました。
今回のアップグレードは新機能の導入ではなく、既存インフラの安定化に重点が置かれています。具体的には、シングル・アセット・ボールトやXRPLレンディング・プロトコルにおける精度および丸め処理の修正が実施されました。あわせて、許可型分散型取引所(DEX)のインフラ改良や許可型ドメインのセキュリティ強化、多目的トークン(MPT:実有価資産などのトークン化に対応する標準規格)のサポート改善が含まれており、機関投資家向け金融やDeFi(分散型金融)領域での活用に向けた基盤が整備された形です。旧バージョンのソフトウェアを継続運用しているノードは、アップグレードを行わない場合、ネットワークから分離されるアメンドメント・ブロック状態となるリスクがあると説明されています。
AI連携とステーブルコイン展開によるエコシステムの拡大
インフラ強化に加え、XRPL上では新たなユースケースの広がりが示されています。元リップルのプロダクト責任者であるチャンドラー・ファング氏によれば、t54が提供する「x402」決済ファシリテーターを通じて、すでに100万件以上のAIエージェントによる取引が処理されました。自律型AIシステムがXRPL上のマイクロペイメント(少額決済)を利用し、ペイウォールで保護されたデータセットを直接購入する仕組みが稼働しています。
また、市場データや規制下でのアクセス面でもポジティブな動きが続いています。デリバティブ市場ではXRPの資金調達率が約0.009%に達し、レバレッジ取引者の強気姿勢を反映する高水準となりました。エコシステム内のステーブルコインである「RLUSD」は、時価総額が6月末の約14億ドルから7月29日時点で約16億ドルへ成長しています。さらに、香港のOSLによる認可を受けた個人向けXRP取引サービスの提供開始や、韓国UpbitへのRLUSD上場など、アジア圏を中心とした取引環境の整備もエコシステムの拡大を裏付けていると見られます。
ポイント
- FRBの金利据え置き後、XRPは安値から約3%上昇し、時価総額上位10銘柄で上昇率首位となりました。
- XRPLで「fixCleanup3_2_0」アメンドメントが有効化され、レンディングや多目的トークン(MPT)関連の精度およびセキュリティが強化されました。
- AIエージェントによるマイクロペイメント取引が100万件を超え、XRPL上でのAI活用が本格化しています。
- ステーブルコイン「RLUSD」の時価総額が約16億ドルへ拡大し、香港や韓国の取引所での取り扱い拡大など実需の増加が示されています。