大阪府は2026年8月26日、大阪市と共同で実施する「大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」の対象として、4事業への交付を決定したと発表しました。採択された事業では、日本円建てステーブルコイン「JPYC」や米ドル建て「USDC」を活用した決済や、ブロックチェーンを用いた貿易関連業務の実証が進められます。自治体からの支援を通じて、決済から清算までを一体で扱う基盤などの検証が行われ、府内におけるWeb3関連ビジネスの展開につながる取り組みとして注目されます。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
ステーブルコインを活用した店舗決済およびエスクロー決済の検証
今回採択された4事業のうち、HashPort(ハッシュポート)、マイナウォレット、Mi&T(ミアット)の3事業では、JPYCやUSDCを用いた決済実証が計画されています。
ハッシュポートは2027年1月から3月にかけ、大阪府内の小売店やレストランなどで1週間以上の実証実験を予定しています。利用者がJPYCやUSDCなどで支払いを行い、加盟店には日本円で清算する仕組みを検証する計画です。また、ECサイト等に向けては、第三者が代金を一時的に預かり、条件を満たした後に売り手へ資金を移動させるエスクロー型決済の実証も行われます。同社は大阪・関西万博で提供した「EXPO2025デジタルウォレット」を「HashPort Wallet」へリニューアルしており、これらの取り組みを通じて府内での事業展開を目指すとしています。
あわせて、マイナウォレットは三井住友カードと連携し、同社の決済端末「stera terminal」を用いたJPYCおよびUSDC決済の実証を予定しています。また、大阪公立大学発ベンチャーのMi&Tは、同大学周辺の飲食店や小売店においてJPYCによる実店舗決済の検証を行う計画です。
ブロックチェーンによる輸出ファクタリングと代金回収の効率化
決済領域の実証に加えて、貿易・金融業務におけるブロックチェーン活用の実証も採択されました。
SBI XDC Network APACはTOPPANなどと連携し、大阪府内の中古自動車部品輸出業者を対象とした実証を計画しています。この事業では、取引先の確認から輸出ファクタリング(売掛債権の買い取りによる早期資金化)、代金回収までの一連の手続きをブロックチェーン上で行う仕組みを検証する予定です。
ポイント
- 大阪府と大阪市が実施する補助金事業の対象として、HashPort、マイナウォレット、Mi&T、SBI XDC Network APACの4事業が採択されました。
- JPYCやUSDCを活用し、実店舗での決済から日本円清算までの仕組みや、EC向けエスクロー決済、既存決済端末との連携実証が進められます。
- 中古自動車部品の輸出業務において、取引先確認から輸出ファクタリング、代金回収までをブロックチェーン上で処理する実証も計画されています。
- 各事業の実証を通じて、決済や金融取引の基盤が検証され、府内における社会実装や事業展開の促進につながる点で注目されます。
