スイ(Sui)上で分散型金融(DeFi)サービスを提供するフル・セイル(Full Sail)は、2026年8月29日にボールト(Vault)で資金損失が発生したことを確認したと発表しました。オラクルプロトコルであるスイッチボード(Switchboard)が侵害された疑いに伴うセキュリティインシデントとして調査が進められており、さらなる損失を防ぐためボールトへの入出金停止措置が取られています。オラクルはDeFiにおいて担保価値の算定や清算に必要な価格データを供給する基盤であるため、その影響はスイ以外の複数チェーンにも波及しています。
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インシデントの発生状況と現在の対応

フル・セイルは、提供するボールトにおいて資金損失が発生した事実を確認しました。二次被害を防ぐため、オラクルの完全性が回復し、安全性が検証されるまでの間、ボールトへの入出金停止を継続する方針を示しています。
現時点では、具体的な損失額や攻撃手法、直接的な原因は公表されておらず、詳細の解明に向けた調査が続けられています。
オラクル侵害の疑いとMoveエコシステムへの影響
今回のインシデントでは、スマートコントラクト開発言語「Move」に対応したスイッチボードの実装が侵害された可能性が疑われています。スイッチボードは、暗号資産の価格といったブロックチェーン外部のデータをスマートコントラクトへ提供するオラクルプロトコルです。DeFiプロトコルはオラクルから得た価格情報をもとに担保価値の算定や清算を実行するため、不正確な価格情報が供給された場合はプロトコル全体に重大な影響が及ぶ可能性があります。
この問題を受け、スイッチボードはスイをはじめ、アプトス(Aptos)、アイオータ(IOTA)、ムーブメント(Movement)といったMove関連チェーンでオラクルサービスを停止しました。一方で、異なる実装を用いているソラナ(Solana)では同様の侵害報告は確認されていません。
なお、スイッチボードのMove対応実装が実際に侵害されたのか、またそれがフル・セイルの資金損失に直接つながったのかについては確定しておらず、フル・セイルとスイッチボードの両者が合同で調査を進めています。
ポイント
- フル・セイルがSui上のボールトで資金損失を確認し、オラクルの完全性が検証されるまで入出金を停止している点で注目されます。
- 価格算定や清算を支えるスイッチボードのMove対応実装に侵害の疑いが生じ、DeFiにおけるオラクル依存のリスクが浮き彫りになった点で注目されます。
- スイに加え、アプトス、アイオータ、ムーブメントでもスイッチボードのオラクルサービスが停止され、Moveエコシステム全体に影響が及んでいる点で注目されます。
- ソラナなどの別実装環境では被害報告がなく、具体的な原因や損失額の確定に向けた調査が継続されている状況です。