レイヤー1ブロックチェーンのステラ(Stellar)において、クロスチェーン版ステーブルコイン「USDT0」の稼働が開始されました。USDT0の公式ブログにて9月2日に発表されたもので、ステラの利用者は1,800億ドル(約28兆4,400億円)超のUSDT流動性へアクセス可能になります。レイヤーゼロ(LayerZero)の規格を採用することにより、カストディ型ブリッジを介さずに統一された流動性をステラ環境にもたらす取り組みとして注目されます。
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カストディ型ブリッジを介さないOFT規格の採用
USDT0は、エバードーン・ラボ(Everdawn Labs)が提供する、テザー(Tether)発行の米ドル建てステーブルコイン「USDT」を複数のブロックチェーン間で利用可能にするクロスチェーン基盤です。
本プロトコルは、クロスチェーン相互運用プロトコルであるレイヤーゼロの「オムニチェーン・ファンジブル・トークン(OFT)」規格を採用しています。イーサリアム上のUSDTによって1対1で裏付けられた統一的な供給量を維持しながら、対応するブロックチェーン間でUSDT0を直接移転できる設計です。
USDT0のネイティブ展開先同士においては、各チェーンに個別のラップドトークンや分断された流動性プールを用意する必要がありません。利用者は、資産を第三者に預託するカストディ型ブリッジを介さず、ステラと他のネイティブ展開チェーンとの間でUSDT0を移動させることが可能です。
決済からDeFiまで広がる活用用途と対応エコシステム
ステラは、国際送金や資産発行を用途として設計されたブロックチェーンであり、秒単位での取引確定と低い手数料を特徴としています。ステラ上でのUSDT0は、クロスボーダー決済や送金といった実利用に加え、DeFi(分散型金融)における担保利用、借り入れ、取引、利回り運用などへの活用が見込まれています。
すでに分散型取引所(DEX)のスシスワップ(SushiSwap)がステラ上のUSDT0に対応を完了しています。加えて、クラーケン(Kraken)、ファイアブロックス(Fireblocks)、フレイター(Freighter)、ロブスター(Lobstr)、メル(Meru)、ビットゲット・ウォレット(Bitget Wallet)、ビリラ・クリプト(BiLira Kripto)、クレデテ(Kredete)、ランプ・ネットワーク(Ramp Network)などのプラットフォームが対応先として発表されています。ウォレットのエクソダス(Exodus)についても近日中に対応が予定されています。
23のネイティブ展開先とレガシーメッシュによる相互接続
USDT0の公式技術文書によると、ネイティブ展開先はステラを含めて現在23ネットワークが存在します。対象にはイーサリアム、アービトラム・ワン、ベラチェーン、コンフラックスeSpace、フレア、ハイパーコア、ハイパーEVM、ヘデラ、インク、マントル、メガイーサ、モナド、モーフ、オプティミズム、プラズマ、ポリゴンPoS、ルートストック、セイ、ステーブル、テンポ、ユニチェーン、Xレイヤーが含まれます。
さらにUSDT0の「レガシーメッシュ」機能を通じ、イーサリアム、トロン、トン、ソラナ、セロで従来発行されているネイティブUSDTも、ハブとなるアービトラムを経由してUSDT0対応チェーン群と相互に接続されます。なお、ステラ側は発表にある1,800億ドル超という金額について、USDT全体の時価総額を示したものであり、ステラネットワーク上に供給されたUSDT0自体の残高を示すものではないと説明しています。
ポイント
- レイヤー1のステラ上で、エバードーン・ラボが手掛けるクロスチェーン版USDT「USDT0」が稼働を開始しました。
- レイヤーゼロのOFT規格を採用し、第三者預託を伴うカストディ型ブリッジやチェーンごとの流動成分断を回避する仕組みを整えています。
- 1,800億ドル超のUSDT流動性と接続可能になり、ステラの低コスト・高速送金基盤を活かした決済やDeFi運用への拡大が期待される点で注目されます。
- 分散型取引所のスシスワップや暗号資産取引所のクラーケンなどがすでに対応し、エクソダスも近日中に対応を予定するなどエコシステムの統合が進んでいます。
