米下院が114ページの暗号資産税制法案を公表。マイニング・ステーキング報酬の課税繰り延べを除外し現行基準を維持する方針

米下院において、全114ページにおよぶ暗号資産税制パッケージ法案の内容が明らかになりました。同法案では暗号資産の手数料やステーブルコイン、レンディングに関する税務処理の改定が盛り込まれる一方で、マイニングやステーキング報酬に対する課税の繰り延べ措置は除外されました。これにより報酬発生時に課税される現行の課税タイミングが維持されることとなり、業界関係者や事業者の税務対応に影響を与える可能性があります。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイト編集方針をご覧ください。

法案の対象範囲と税制の見直し内容

提示された114ページの税制法案では、暗号資産に関わる複数の領域を対象に税務処理の改定が提案されています。具体的には、暗号資産の手数料(ネットワーク手数料など)、ステーブルコイン、そして暗号資産の貸借取引(レンディング)に関する税務上の取り扱いを変更する方針が示されています。

一方で、法案作成の過程で議論されていたマイニング(採掘)やステーキング(保有・預託による検証参加)に対する報酬課税の繰り延べ措置は含まれませんでした。決済や融資領域での税制整理が進められる半面、ネットワーク検証に伴うインセンティブの取り扱いについては現行規定が維持されることになります。

課税タイミング維持が事業者に与える影響

マイニングやステーキングの報酬課税繰り延べが見送られたことで、既存の課税タイミングがそのまま適用され続ける見通しです。現行の米税務規則では、マイニングやステーキングによって新規に獲得したトークンは、受け取りや管理権を取得した時点の市場価値に基づいて課税対象になるとされています。

事業者が報酬として得た暗号資産を法定通貨に売却する前であっても納税義務が発生するため、事業者側には現金の確保など資金管理上の負担が残る形となります。法案では手数料やレンディングに関する見直しにより一定の実務的整理が図られる一方、ブロックチェーンの運用を支えるバリデーターやマイナーにとっては、引き続き従来の税務基準に沿った対応が求められることになります。

ポイント

  • 米下院の暗号資産税制パッケージ法案(全114ページ)から、マイニングおよびステーキング報酬の課税繰り延べ措置が除外された点で注目されます
  • 法案では暗号資産の手数料、ステーブルコイン、融資(レンディング)に対する税務上の取り扱いが改定される方針です
  • 新規報酬に対する現行の課税タイミングが維持されるため、検証事業者などの事業運営や税務実務に影響が残る可能性があります
ブロックチェーン総研プライムBlockchain Research Institute Prime
数字とニュースでブロックチェーン産業を読む。新着レポートの公開をメールでお知らせします。
確認メールのリンクをクリックすると登録完了。配信はいつでも解除できます。プライバシーポリシー