カザフスタン国立銀行が国家仮想通貨分析センターを設立へ。法定通貨と仮想通貨の取引を横断監視する方針

カザフスタン国立銀行は、デジタル資産に関連する取引を監視するための国家暗号資産(仮想通貨)分析センターを設立する予定であることを明らかにしました。同行が開発を進める監督用SupTech(監督技術)プラットフォームを基盤とし、法定通貨建てと仮想通貨の取引を横断的に分析する体制を整えます。アスタナ国際金融センターにおける2025年の取引総額が106億ドルに達するなど市場が拡大する中、全国規模での監督プロセスの自動化や不正取引の抑止を推進する狙いがあります。

監修:ブロックチェーン総研編集部

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横断的監視を担う新センターの機能とSupTech基盤

カザフスタン国立銀行のティムール・スレイメノフ総裁は、政府会議において国家暗号資産分析センターの新設を公表しました。新センターのシステムは、同行が仮想通貨市場や決済機関を監督するために開発を進めているSupTechプラットフォームを基盤として構築されます。このプラットフォームは、規制対象事業者の登録簿やプロファイルの管理、報告書の作成、ブロックチェーン分析の実施、監督業務の自動化に至るまで、監督プロセス全体を網羅する構想となっています。

新システムは法定通貨建て取引と仮想通貨取引の双方を横断的に対象とし、取引情報だけでなく、顧客情報、ウォレット、個々の送金に関する情報も分析できるようになる見込みです。さらに、同行が2024年に立ち上げた不正防止センターとも統合される計画です。不正防止センターには銀行などの金融機関、決済機関、法執行機関、通信事業者が参加しており、リアルタイムの情報交換や、詐欺の疑いがある活動に関する情報を一元管理するデータベースが運用されています。

取引拡大を受けた全国規模の規制枠組みへの移行

新センター設立の背景には、同国におけるデジタル資産取引の急激な拡大があります。スレイメノフ総裁の報告によると、首都の国際金融ハブであるアスタナ国際金融センター(AIFC)の登録事業者による2025年のデジタル資産取引総額は、106億ドル(約1.6兆円)に達しました。カザフスタンは2022年にAIFCの取引所と銀行を接続して公的な交換ルートを開設し、2023年にはデジタル資産法を制定して法的枠組みを明確化したことで、センター内の登録ユーザー数は約21万5,000件に達していました。

従来のAIFCの枠組みは金融センター内に限定されていたため、カザフスタン国立銀行は国内全体を視野に入れた施策を進めてきました。2025年にはステーブルコイン、トークン化、仮想通貨取引所、カストディなどを含む規制サンドボックス制度を開始し、現在では14分野・34件のプロジェクトが参加しています。さらに、2026年5月1日には全国規模のデジタル資産規制枠組みが正式施行され、事業者のライセンス制度も導入されました。新法の施行から2か月間でライセンスを取得した仮想通貨事業者3社の取引高は合計20億テンゲ(約7億円)に達しており、国内市場の拡大に伴う監督強化が進められています。

ポイント

  • カザフスタン国立銀行が監督用SupTechプラットフォームを基盤とする国家仮想通貨分析センターを設立する予定です。
  • 法定通貨建てと仮想通貨の取引を横断して顧客情報や送金データを分析し、既存の不正防止センターと連携させる計画であり、組織的な不正検知の精度向上という点で注目されます。
  • アスタナ国際金融センターにおける2025年の取引総額が106億ドルに達し、登録ユーザー数が約21万5,000件に到達するなど市場が急速に成長しています。
  • 2026年5月1日より全国規模の規制枠組みとライセンス制度が施行され、施行後2か月で認可事業者3社の取引高が20億テンゲに達したことから、公的な監督基盤の整備が本格化している点で重要視されます。
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