暗号資産レンディング事業を手がけていたCelsiusの破産管財側が、暗号資産取引所BitMEXの関連5法人を相手取り、4億9,500万ドル規模の訴訟を提起しました。この訴訟は、2020年の市場急落(コロナショック)の際に清算された6,360ビットコイン(BTC)の回収を求めているものです。提訴がBitMEXの取引停止の数日前に行われた点に加え、低リスク運用を宣伝していたCelsiusが実際には高リスクなレバレッジ取引を行っていた実態が示された点でも業界の関心を集めています。
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取引停止を控えるBitMEXに対する4億9,500万ドルの返還請求
Celsiusの破産管財側は、BitMEXに関連する5つの事業体に対して訴訟を起こしました。請求の対象となっているのは、2020年に発生した市場急落に伴う強制清算で失われた6,360BTCであり、その価値は4億9,500万ドルにのぼります。
今回の法的手続きは、BitMEXが取引を停止するわずか数日前というタイミングで進められました。取引所が業務を終了する前に訴訟を起こすことで、失われた資産の回収権を確保し、破産手続きにおける債権者への配当原資を取り戻す狙いがあるものと見られます。
デルタニュートラル標榜とレバレッジ運用の乖離
問題視されている6,360BTCの損失は、レバレッジをかけたロングポジション(借入を利用して買い建てを行い、価格上昇を狙う取引)が清算されたことによるものです。
Celsiusは生前、市場の価格変動リスクを相殺する「デルタニュートラル」な運用戦略を採用しているとアピールし、利用者に安全性をアピールしていました。しかし、実際には市場急落時に大規模な清算を招くようなレバレッジ取引を行っており、当時のマーケティング主張と実際のポジション保有状況に著しい乖離があったことが浮き彫りになっています。暗号資産レンディング事業者におけるリスク管理の不透明さや、預かり資産の運用実態に関するガバナンスの課題を改めて示す事例といえます。
ポイント
- Celsiusの破産管財側がBitMEXの関連5法人を提訴し、2020年の市場急落で清算された6,360BTC(4億9,500万ドル相当)の回収を求めている点で注目されます。
- BitMEXがプラットフォームでの取引を終了する数日前という差し迫った時期に起こされた提訴であり、管財側による資産回収の緊急的な措置と見られる点で重要です。
- 低リスクなデルタニュートラル戦略を謳っていたCelsiusが、裏ではレバレッジをかけたロングポジションを運用していた実態が浮き彫りになり、事業者の情報開示とリスク管理の重要性を再確認させる点で注目されます。