日本円建てステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC株式会社は、SBJ銀行および米LINE NEXTと業務提携に関する覚書を締結しました。3社は銀行口座とデジタルウォレットを接続し、JPYCをチャージする仕組みについて概念実証(PoC)に取り組みます。従来の銀行口座からブロックチェーン上のウォレットへ円建て資産を直接届ける入口を検証することで、ステーブルコイン決済や送金の実用性を高める取り組みとして位置付けられます。
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銀行口座とウォレットをつなぐ実証の枠組みと各社の役割
今回の概念実証では、銀行口座にある資金をブロックチェーン上の送金や決済で円滑に利用できるようにするため、口座連携からJPYCの発行、ウォレットへの反映(受け取り)までの技術面および運用面のフローを設計し、サービスとしての成立性を検証します。
実証における役割は3社で分担されます。韓国の新韓金融グループに属する国内銀行のSBJ銀行は、銀行口座とバンキングインフラを提供します。LINE NEXTは、ステーブルコインウォレット「Unifi(ユニファイ)」をはじめとするデジタルウォレット基盤とブロックチェーン関連技術を提供し、システム連携やサービスモデルを検討します。発行体であるJPYC社は、日本円と1対1で交換できるステーブルコインの発行・償還に関する技術支援や知見の提供を担います。
送金・決済の事業化視野とこれまでの協業の進展
覚書には3社による実証実験に加え、SBJ銀行とLINE NEXTの2社間による戦略的業務提携も盛り込まれました。両社は実証を経て、UnifiなどのWeb3サービスとバンキングサービスを組み合わせ、送金や決済を含む新たな金融サービスの事業化や共同事業、共同プロモーションについて協議を進める方針です。
JPYC社とLINE NEXTは、2026年1月にLINEアプリ上でJPYCを利用できる環境構築を目指して基本合意書を締結していました。LINE NEXTが3月にUnifiを正式ローンチしたのち、同ウォレットはJPYCの流通量で最大規模を占めるパートナーとなっています。発行体であるJPYC社は2025年8月に資金移動業者として登録され、同年10月に発行を開始しました。現在はアバランチ、イーサリアム、ポリゴン、カイアの4つのブロックチェーンに対応しており、今回の銀行連携によってステーブルコインへのチャージ経路の検証が本格化する形となります。
ポイント
- 銀行口座からデジタルウォレットへ直接JPYCをチャージする一連の流れを検証し、ステーブルコインへの資金移動を円滑にする点で注目されます。
- SBJ銀行のインフラ、LINE NEXTのウォレット基盤、JPYC社の発行・償還技術を持ち寄り、実運用に耐えうる接続フローを設計する点で重要です。
- 実証実験にとどまらず、SBJ銀行とLINE NEXTが送金・決済を含む新たな金融サービスの事業化を検討しており、伝統的な銀行機能とWeb3サービスの統合が進む可能性があります。
- 1月の合意から銀行が新たに加わり、ユーザーがステーブルコインを取得する入口部分の検証に踏み込んだ点で協業の進展が示されています。