ビットバンク子会社のBitbank Ventures、シンガポールの暗号資産特化型クオンツファンド「SPEQTRA」へ出資

国内暗号資産取引所であるbitbankを運営するビットバンクの子会社、Bitbank Ventures合同会社は2026年6月11日、暗号資産に特化したシステマティック・クオンツファンドであるSPEQTRA Systematic Digital Assets Feeder Fund L.P.への出資を発表しました。出資先ファンドに投資助言を行うのは、シンガポールを拠点に高度なAIやクオンツ技術を有するSPEQTRA Investment Research Pte. Ltd.です。Bitbank Venturesは、同社の専門的な分析・運用技術や、将来的なオンチェーン金融領域での展開可能性を評価しており、今後は新たな金融サービスの提供に向けた協業の可能性を検討していくとしています。

出資の背景とSPEQTRAのクオンツ技術

ビットバンク子会社のBitbank Ventures、シンガポールの暗号資産特化型クオンツファンド「SPEQTRA」へ出資

Bitbank Venturesが出資したSPEQTRA Systematic Digital Assets Feeder Fund L.P.は、シンガポール拠点のSPEQTRA Investment Research Pte. Ltd.(以下、SPEQTRA)が投資助言を行うファンドです。今回の出資額は公表されていません。

SPEQTRAは、数学、統計学、プログラミングを駆使したクオンツ技術を用いて、暗号資産市場の分析や投資戦略の構築を行う企業です。同社が採用するシステマティック運用とは、人間の感情や主観的な勘を完全に排除し、コンピューターの定量モデルやアルゴリズムで定めたルールに基づいて自動的に売買を行う投資手法とされています。

SPEQTRAの李徳洋CEOは、暗号資産市場が24時間365日稼働し、膨大なデータが絶え間なく生成されるという特性を挙げ、こうした市場こそがクオンツ運用がその真価を発揮すべきフロンティアであると述べています。Bitbank Venturesは、同社が持つこうしたシステマティック運用技術や、AI・クオンツ技術を活用した分析・運用の専門性を高く評価したと説明しています。

オンチェーン金融領域への展望と今後の協業

今回の出資において、Bitbank Venturesは将来的なオンチェーン金融領域での展開可能性も重視しています。オンチェーン金融領域とは、ブロックチェーン上に直接記録・処理される取引やスマートコントラクト(契約の自動執行)を活用し、お金の移動、資産の保有や移転、各種金融取引を一元化する次世代の金融の仕組みを指すとされています。

Bitbank Venturesは、AIやデータ分析技術を用いた高度な運用とオンチェーン金融が融合する領域についての知見を深めるとともに、SPEQTRAの成長を支援していく方針です。両社は今後、暗号資産市場における分析・運用技術の高度化や、新たな金融サービスの提供に向けた協業の可能性を検討していくとしています。

ビットバンクグループが進める多角的な事業戦略

Bitbank Venturesの親会社であるビットバンクは、近年Web3領域や伝統的金融との融合に向けた動きを加速させています。2024年11月にWeb3投資に特化した子会社としてBitbank Venturesを設立したほか、2026年4月には丸井のエポスカードと提携し、暗号資産での引き落としに対応したクレジットカードの発行を発表しました。

さらに、2026年5月にはSBIホールディングスとの間でビットバンクの子会社化に向けた協議が開始されていることが報じられており、グループ全体で暗号資産事業の拡大や高度な金融サービスの開発を進める姿勢が鮮明になっています。今回のクオンツファンドへの出資も、こうした先進的な技術の取り込みと、将来的なシナジー創出を狙った戦略の一環と見られます。

ポイント

  • ビットバンク子会社のBitbank Venturesが、シンガポールの暗号資産特化型クオンツファンドであるSPEQTRAへの出資を発表しました。
  • SPEQTRAは、数学、統計学、プログラミング、AIを用いたシステマティック運用(アルゴリズムによる自動売買)に強みを持つ企業です。
  • Bitbank Venturesは、SPEQTRAの高度な運用技術に加え、ブロックチェーン上で取引を完結させるオンチェーン金融領域での将来的な展開可能性を評価しています。
  • 両社は今後、分析・運用技術の高度化や、新たな金融サービスの提供に向けた協業の可能性を検討していくとしています。
  • 親会社のビットバンクは、他社との提携やSBIホールディングスとの子会社化協議などを進めており、今回の出資もグループの事業多角化と技術力強化を狙った動きと見られます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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