米エバーノースCEOが語る機関投資家の変化とナスダック上場への展望

暗号資産XRPの保有と利回り運用を手掛ける米エバーノースの最高経営責任者であるアシーシュ・ビルラ氏が、機関投資家のブロックチェーンに対する姿勢の変化や同社の戦略について語りました。同社は特別買収目的会社との合併を通じてナスダック上場を目指しており、手続きは最終局面を迎えています。また、日本市場におけるドル建てステーブルコインであるRLUSDの流通の意義や、リップル社との補完関係、今後の日本での展開方針についても明らかにされました。

機関投資家の姿勢変化とナスダック上場プロセスの進捗

米エバーノースCEOが語る機関投資家の変化とナスダック上場への展望

ビルラ氏によると、10年前と比較して機関投資家のブロックチェーンに対する姿勢は大きく変化しており、現在は多くの金融機関が専門チームを立ち上げています。同社への資金流入は、業界の成熟とチームへの信頼を示すものと考えられます。

エバーノースは、特別買収目的会社であるArmada Acquisition Corp. IIとの合併を通じ、ティッカー「XRPN」でのナスダック上場を目指しています。当初は4月から6月ごろの完了が予定されていましたが、申請中に米政府機関の閉鎖(ガバメントシャットダウン)が発生したことでスケジュールが後ろ倒しとなりました。

しかし、上場プロセス自体は着実に最終局面に近づいており、7月13日には米証券取引委員会(SEC)へ合併に伴う証券登録届出書(S-4)の修正版を提出したことが明かされました。同社が上場すれば、一般投資家は暗号資産を直接購入・保管することなく、証券口座から株を購入するだけで同社のデジタル資産運用戦略に投資できるようになるとされています。

XRP Ledgerの採用理由とステーブルコイン「RLUSD」の日本流通

同社が運用の基盤としてXRPレジャー(XRPL)を選んだ理由について、ビルラ氏は、ビットコインが金の代替にとどまり、イーサリアムが多機能である一方で特定分野に特化していない点を指摘しました。これに対し、XRPLは決済やトークン化などの金融用途に特化して設計されており、金融アプリケーションに最も適したブロックチェーンであると説明しています。

日本国内では、6月24日にSBI VCトレードを通じてドル建てステーブルコイン「RLUSD」の流通が開始されました。XRPLには標準機能として分散型取引所(DEX)が備わっており、RLUSDの流通によって日本のユーザーはオンチェーン金融のエコシステムに参加しやすくなると見られています。現実の金融市場と同様にオンチェーン金融でも米ドル建てステーブルコインが決済の基盤になると考えられており、今回の国内流通が日本からのアクセス環境を整える上で重要な役割を果たすと期待されます。

リップル社との補完関係と日本市場におけるパートナーシップ

エバーノースは、リップル社と「XRPエコシステムに新しい金融アプリケーションを生み出す」という共通の目標を持っています。両社の役割として、リップル社が新しいトークン化資産をXRPLにもたらし、エバーノースがレンディングや流動性提供などを通じてそれらの資産の利回りを創出(アクティブな運用)するという補完関係が構築されています。

日本市場への展開について、エバーノースは現時点で具体的なロードマップを策定していません。しかし、同社は昨年10月にSBIホールディングスから約300億円(約2億ドル)規模の出資を受けており、今後の日本展開はSBIなどのパートナーとの連携を軸に検討していく方針です。

現実資産(RWA)のトークン化と将来の展望

ビルラ氏は、ブロックチェーン上でトークン化されている現実資産(RWA)は現在約340億ドルにとどまり、世界全体の実資産(約500兆ドル)のごく一部にすぎないと指摘しています。しかし、XRPL上でトークン化されたRWAはこの12カ月で24倍となる36億ドル相当に急増しており、今後5年から10年で金融市場の大部分がブロックチェーン上で取引されるようになると予測しています。

さらに、将来的にはAIとブロックチェーンの融合により、個々の投資家に最適化された資産運用が自動化され、保有資産をより効率的に運用する時代が加速するとの見通しを示しました。

ポイント

  • 機関投資家のブロックチェーンに対する姿勢が変化し、専門チームを立ち上げる金融機関が増加しています。
  • エバーノースはSPACとの合併によるナスダック上場の最終局面にあり、7月13日に米証券取引委員会(SEC)へ登録届出書(S-4)の修正版を提出しました。
  • 日本国内でのドル建てステーブルコイン「RLUSD」の流通開始により、国内ユーザーがオンチェーン金融エコシステムへ参加する環境が整いつつあります。
  • リップル社がトークン化資産を創出し、エバーノースがその資産の利回りを生み出すという補完関係が共有されています。
  • 世界の実資産のオンチェーン化を見据え、今後5年から10年で金融市場の多くがブロックチェーン上に移行すると予測されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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