NOT A HOTEL株式会社は、トヨタ自動車の戦略投資会社であるトヨタ・インベンション・パートナーズ(TIP)およびSBIグループなどを主な引受先とする第三者割当増資を実施し、100億円を調達したと8月6日に発表しました。既存株主の株式譲渡に伴うセカンダリー取引65億円分を含めると、シリーズDラウンドにおける取引総額は165億円となります。同社は調達資金を活用し、資本提携先とともに共同所有型モビリティサービス「NOT A GARAGE」を本格的に推進していく方針です。
増資とセカンダリー取引により総額165億円の資金取引を実施
今回のシリーズDラウンドにおいて、新規資金の流入となる第三者割当増資の調達額は100億円です。これに加えて既存株主が保有する株式65億円分のセカンダリー取引が行われ、総額165億円の取引規模となりました。
今回の取引における引受先は以下の5社です。
- トヨタ・インベンション・パートナーズ(TIP)
- SBIホールディングス株式会社
- SBIインベストメント株式会社
- 株式会社セコイア(※シリーズCに続く追加出資)
- TT Lion Partners株式会社(ジーライオングループ)
NOT A HOTEL社はこれらのパートナーシップを通じて、既存事業の成長加速と事業基盤の拡張を図るとしています。
パートナー連携で「NOT A GARAGE」推進と金融支援を拡充
NOT A HOTEL社は、TIPおよびジーライオングループとの資本提携を軸に、新サービス「NOT A GARAGE(ノットアガレージ)」を展開します。
NOT A GARAGEは、ジェット機やヘリコプター、クルーザーなどのモビリティを必要な分だけ共同所有できるサービスです。購入費や維持費を抑えながら陸・空・海の移動手段を利用できる仕組みとなっています。この取り組みでは、トヨタが持つモビリティの知見とNOT A HOTEL社の滞在空間づくりのノウハウを融合させ、移動から到着後の滞在までを一貫した体験として設計します。また、プレミアムカー展開やスーパーヨットマリーナ運営を手がけるジーライオングループが、ラグジュアリー領域での顧客体験ノウハウを提供します。
金融面での支援策としては、SBIグループのSBI新生銀行がNOT A HOTEL購入者向けの提携ローン提供を検討するほか、フィンターテック(Fintertech)が2025年10月より「NOT A GARAGE」購入者向けデジタルアセット担保ローンの提供を開始しています。このローンでは、ビットコイン(BTC)またはイーサリアム(ETH)を担保とすることで、最大5億円まで購入費用を借り入れられる環境が整えられています。
Web3および現実資産(RWA)領域での先進的な取り組み
NOT A HOTEL社は、ハイエンドな別荘を年間10泊分からシェア購入できる不動産基盤を提供しており、所有権の保有、4年目以降の売却、相続、不利用時のホテル貸出といった柔軟な利用構造を備えています。同社は不動産やモビリティといった現実資産(RWA)のシェアリングに加え、テクノロジーや暗号資産領域を組み込んだ事業モデルを展開してきました。
同社の主なWeb3関連の実績は以下の通りです。
- メンバーシップNFTの販売:2022年夏に毎年利用可能な宿泊権やイベント参加特典を付与したNFTを販売し、初回予定販売分の約3億円が完売しました。
- 暗号資産「NAC」のIEO:2024年に完全子会社NOT A HOTEL DAO社が暗号資産「NOT A HOTEL COIN(NAC)」のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)をGMOコインで実施し、目標額である20億円の資金調達を達成しました。
現実資産の共同所有モデルにWeb3施策やデジタルアセット担保ローンなどの先進金融を取り入れる手法は、Web3を活用した実体経済ビジネスの構築例として注目されています。
ポイント
- トヨタ系の戦略投資会社(TIP)やSBIグループらから100億円を調達し、セカンダリー取引を含む取引総額は165億円に達しました。
- 共同所有型モビリティサービス「NOT A GARAGE」を開始し、トヨタやジーライオングループと連携して移動と滞在を一体化した体験を提供します。
- 購入支援としてSBI新生銀行による提携ローンの検討や、暗号資産(BTC/ETH)を担保とする最大5億円のデジタルアセット担保ローン(フィンターテック提供)が導入されています。
- メンバーシップNFTの完売や暗号資産「NAC」のIEO(20億円調達)など、現実資産(RWA)とWeb3・暗号資産技術を積極的に融合させた事業展開を推進しています。