Microsoftは、改ざんされたウェブサイトがBNB Chainから悪意のある指示を取得し、偽のCAPTCHAを介してWindows端末でマルウェアを実行させる攻撃が発生していると明らかにしました。暗号資産ネットワーク上に攻撃の手順やコードを格納することで、セキュリティ対策を回避しようとする手法が用いられています。ブロックチェーンの特性が悪用された事例として、Web3業界におけるセキュリティ対策の観点から非常に重要視されています。
偽CAPTCHAとブロックチェーンを組み合わせた攻撃の手口
今回確認された手口では、改ざんされたWebサイトを訪問したユーザーに対して、偽のCAPTCHA(botではなく人間が操作しているかを識別するための認証画面)が表示されます。ユーザーがこの画面の指示に従うよう誘導される過程で、裏ではBNB Chain(大手暗号資産取引所Binanceが開発・支援するブロックチェーン)上のスマートコントラクトから悪意のある命令が読み込まれます。
最終的に、ユーザーはWindows搭載デバイス上で意図しない悪意のある命令を実行させられる仕組みとなっています。ブロックチェーンから命令を取得することで、攻撃者は従来の外部サーバー差し押さえやIPアドレスのブロックといった対策を回避しようとしていると見られます。
暗号資産インフラの悪用とWeb3業界への影響
この事例は、データの改ざんが困難であり常時稼働し続けるというブロックチェーンの強みが、サイバー攻撃のインフラとして裏目に出たケースとして注目されます。パブリックチェーンに書き込まれたプログラムは容易に停止や削除ができないため、攻撃の無効化が難しくなる可能性があります。
Web3関連のビジネスを展開する事業者やエンジニアにとっては、自社のエコシステムやプロトコルが悪用されるリスクを想定し、オンチェーンの挙動監視や不審なコントラクトの検知体制を強める必要性が高まっていると考えられます。
ポイント
- Microsoftにより、BNB Chainから悪意のある指示を取得して拡散するマルウェア攻撃が報告されました。
- 改ざんされたサイト上で偽のCAPTCHAを表示し、訪問者を騙してWindows端末で命令を実行させる手口が使われています。
- 停止や削除が困難なブロックチェーンの特性が攻撃インフラとして悪用された点で、Web3領域のセキュリティにおいて注視すべき事象とされています。