ブラジル中央銀行が1万ドル超の仮想通貨送金に最大24時間の遅延措置を発表

ブラジル中央銀行は、金融詐欺の防止を目的として、一部の仮想通貨送金を最大24時間遅延させる新たな規則を発表しました。新規則は1万ドルを超える海外の仮想通貨企業や自己管理ウォレット宛ての送金を対象としており、来年からの施行が予定されています。本措置は資産の凍結や永久的な停止ではなく、不正な資金移動を防ぐための確認時間を設けるものであり、規制当局による監視強化の一環と見られます。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイト編集方針をご覧ください。

新規則の概要と適用対象

ブラジル中央銀行は8月7日、詐欺対策を目的として、一部の仮想通貨送金を最大24時間遅延させる新規則を発表しました。

本規則の対象となる取引および条件は以下の通りです。

・対象範囲:海外の仮想通貨企業、または自己管理ウォレット(個人で秘密鍵を管理するウォレット)宛ての送金

・金額基準:1万ドルを超える取引(1回の送金額に加え、同一顧客の1日の送金総額でも判定)

また、中央銀行はリスク管理方針に基づき、追加の確認を要すると判断した他の取引に対しても同様の遅延を適用できるとしています。この新規則は来年施行される予定です。

導入の背景と規制当局の意図

今回の新規則導入の背景には、ステーブルコイン(法定通貨と価値が連動する暗号資産)をはじめとする仮想通貨が、金融詐欺などで得られた資金を短時間で移動させる手段として悪用されている現状があります。

中央銀行は、この措置が資産の凍結や送金の永久停止を意味するものではないと明確に説明しています。送金手続きに最大24時間の遅延(確認時間)を設けることで、不正な資金移動の検知や確認を行う猶予を確保する狙いがあると見られます。

ブラジルにおける暗号資産関連の規制強化は今回が初めてではありません。同中央銀行は4月30日にも、国際決済・送金サービス「eFX」の新規則の一環として、規制下の国際送金における仮想通貨の使用禁止を発表していました。過去の措置と同様に、今回の新規則も送金自体を全面的に禁止するのではなく、国際的な資金移動における透明性と安全性を高めるための監視強化策と位置付けられます。

ポイント

・1万ドルを超える海外の仮想通貨企業や自己管理ウォレット宛ての送金に対し、最大24時間の遅延措置が導入されます

・判定基準には1回の送金額だけでなく、同一顧客における1日の送金総額も含まれます

・資産凍結や送金禁止ではなく一時的な確認時間の確保を目的としており、詐欺による資金移動を防止する狙いがあります

・来年からの施行が予定されており、ラテンアメリカ最大規模の市場における暗号資産の運用やコンプライアンス対応に影響を与える点で注目されます

ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
数字とニュースでブロックチェーン産業を読む。8月中はすべてのレポートを無料で公開しています。
レポートを見る →