金融庁が信託型ステーブルコインの規制緩和を要望へ。税務書類の提出不要化で100万円超の取引円滑化を目指す方針

金融庁が日本円ステーブルコインに関する規制緩和を、近くまとめる税制改正要望に盛り込む方針であることが報じられました。信託型ステーブルコインの取引に伴う税務手続きを簡素化し、事実上の制限となっていた100万円を超える取引を円滑にすることが目的です。自動車や不動産の購入などの高額決済への活用を後押しし、ステーブルコインの流通促進を図る取り組みとして注目されます。

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監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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税務手続きの簡素化による高額決済の実現

今回の要望は、信託型ステーブルコインの取引時に発生する手続き負担を解消することを目指しています。現行の相続税や所得税のルールでは、ステーブルコインの所有者が変わるたびに、所有者情報を記載した書類を税務署へ提出する必要があります。自動車や不動産の購入といった高額な支払いにステーブルコインを利用したいニーズが存在するものの、この書類提出の手間が原因で実質的な利用が困難になっていました。

金融庁は相続税法や所得税法の改正を通じて、これらの書類提出を一律で不要とするよう要望する見通しです。年末にまとめられる税制改正大綱に向けて議論を進め、2027年度以降の実現を目指す計画とされています。

信託型と資金移動型における規制環境の整理

日本円ステーブルコインのルールにおいて、JPYCなどの資金移動型には発行および償還に1回あたり100万円の制限が課されています。一方で、JPYSCなどの信託型には発行や償還に関する100万円の制限はもともと存在しません。しかし、税務手続きの負担によって事実上の譲渡制限がかかっていたため、公正な競争環境が損なわれている状態となっていました。

JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役は、個人的な予想と前置きしつつ、資金移動型の100万円制限の緩和は既定路線であるとの見方を示しています。その上で、今回の報道は信託型にかかっている事実上の譲渡制限を緩和し、環境を整備するための要望であるとの認識を示しました。なお、信託型のJPYSCを取り扱うSBI VCトレードでは、監督当局による確認や関係法令・税務実務の取り扱いが整理され次第、速やかに出庫を可能にする方針を公表しています。

ポイント

  • 金融庁が信託型の日本円ステーブルコインについて、税務手続きを簡素化する規制緩和を税制改正要望に盛り込む方針です。
  • 所有者が変わるたびに必要だった税務署への書類提出を一律で不要にすることで、自動車や不動産購入などの100万円を超える高額決済の実用化が期待されます。
  • 年末の税制改正大綱に向けて議論が行われ、2027年度以降の実現を目指すスケジュールとなっています。
  • 信託型における事実上の譲渡制限が解消されることで、公正な競争環境の構築やステーブルコイン全体の流通円滑化につながる点で注目されます。
ブロックチェーン総研Blockchain Research Institute
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